【優勝選手特集】男子フリースタイル120kg級・田中章仁(FEG)【2007年12月22日】








 男子フリースタイル120kg級の田中章仁(FEG)が重量級の第一人者の意地を見せつけた。初戦をフォール勝ちで決めると、準決勝の林努(日本文理大)戦でもタックルからバックを確実に奪って2−1で勝利。決勝へ進み、4年連続同じ相手となる荒木田進謙(専大)と対決。2−0で勝って7連覇を達成した。

 田中の相手の足に鋭く突き刺さるタックルがさえ渡っていた。初戦は相手の体の下にもぐりこみ、一気に突き落としてフォールを奪い、体力を温存したまま準決勝進出を決めた。準決勝は第1ピリオドこそクリンチを奪われ落としてしまうものの、第2ピリオドでタックルの威力と田中のパワーが遺憾なく発揮される。

 第2ピリオドは開始早々に田中が仕掛けた。速いスピードで片足にくらいつくとバックを奪いまず1点。そこから3点を得て、最後はローリングで2点を加えて6−0のテクニカルフォール。第3ピリオドも足への攻撃からバックをとり1−0。相手が田中の足をめがけて攻撃をしてきても、うまくかわし、決勝へと駒を進めた。

 決勝の相手は4年連続同じ相手となる荒木田進謙(専大)で、「慣れている相手」との一戦となった。ここでも右足へのタックルからバックを奪い第1ピリオドを先取。第2ピリオドでも田中がまず先に1点を奪う。だが、これで「油断してしまった」というように残り10秒で荒木田に足を取られて場外に押し出され1点を取られてしまう。

 それでも田中は焦らない。残り数秒でバックへ回って1点を奪い7年連続優勝を成し遂げた
(左写真=荒木田を相手に快勝した田中)。「今回が最後のオリンピック挑戦にしようと考えているから、最後の天皇杯に向けて頑張って調整してきました」。その成果が見事表れた今大会。次なる目標は「96kg級の小平さんと力を合わせてオリンピックで頑張ること」−。

 重量級の意地を見せるためにも、まずは北京五輪代表をかけてアジア選手権(3月・韓国)での活躍を誓う。

(文=藤田絢子、撮影=矢吹建夫)



《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》