【優勝選手特集】女子67kg級・西牧未央(中京女大)【2007年12月22日】








 昨年の59kg級全日本チャンピオン、西牧未央(中京女大)が2階級クラスを上げてチャンピオンに輝いた。

 67kg級は当初から混戦が予想された。今年の世界選手権代表の井上佳子(中京女大)が59s級にエントリーしたが、代わりに72kg級全日本選手権2位の佐野明日香(自衛隊)がクラスを下げ、59kg級や63kg級を主戦場としていた西牧が階級を上げた。この2人に絡むのがクイーンズカップ覇者の新海真美(中京女大)と06年世界選手権代表の坂本襟(ワザークスジャパン)。だれが優勝するのか、まったく読めないトーナメントとなった。

 西牧は準決勝で坂本と対戦。06年世界選手権銅メダリストをスピーディーな動きで突き放すと、決勝は同門の新海とぶつかった。第1ピリオド、西牧はタイミングよく片足タックルを決めてポイントを奪取。勢いに乗った第2ピリオドは片足を取って押さえ込むと、そのままフォールで試合を決めた
(右写真)

 「今回はまったく減量がなく、精神的に楽に試合に臨めた。いつも練習している時の体重なので、試合でも練習通りにできた」。試合後に本人が語ったように、この日の勝因は減量苦からの解放だったかもしれない。

 西牧は全国少年少女選手権で7連覇を達成。高校時代にクイーンズカップ59kg級を制覇し、世界ジュニア選手権も05・06年に連覇した。十分な才能と実績を持ちながら、減量に失敗するのが玉にきずだっただ。それならと思い切って2階級アップしたところ、59kg級時代より遥かにキレのある動きを見せたのである。

 自分のパフォーマンスに納得できたのだろう。西牧も口調は軽かった。「来年は67kg級で世界選手権に出場して優勝したい。将来? ロンドン五輪はオリンピック階級の63kg級で勝負をかけたいです」。若き全日本王者は今、ゴールドプランのスタートラインに立ったようだ。

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)



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