海外から9ヶ国が参加し、女子世界合宿がスタート【2007年11月13日】


日本を含め10ヶ国から42選手が参加した3度目の世界合宿。 初日から各国の選手が激しいスパーリングを展開。 浜口京子(右)の練習を王旭(左端)がじっと見つめる。

 世界9ヶ国が来日しての女子の世界合宿が11月12日、東京・国立スポーツ科学センター(JISS)でスタートした。参加したのは中国、韓国、台湾、タイ、モンゴル(この日来日し13日から練習参加)、トルコ、英国、スウェーデン、ベネズエラ。初日の午前練習はJISS内にあるトラックを使ったトレーニングで、400メートル競争では日本選手が上位を独占するなど早くも日本のすごさを見せ、熱のこもった練習が展開された。

 ともすると手の内を盗まれかねない外国チームとの合同練習だが、日本協会の栄和人・女子ヘッドコーチ(中京女大職)は、逆に「日本の強さやすごさを見せつける絶好のチャンス」と位置づける。合宿スタートから全力ファイトを指示し、400メートル走では、軽量級が岩郡安奈選手(愛知・至学館高)が1分0秒、中量級は吉田沙保里選手(ALSOK綜合警備保障)が1分2秒、重量級は伊調馨選手(ALSOK綜合警備保障)が1分2秒でそれぞれ“優勝”。日本選手が軒並み外国選手を圧倒した。

 それは午後のマットワークでも続けられ、アテネ五輪72kg級金メダリストの王旭ほかベストメンバーが参加した中国に対しても日本選手が積極的に練習を求め、圧倒するシーンが随所に見られた。

 中国の周進強団長(中国レスリング協会副会長=
右写真)は「多くの国の選手と練習してこそ強くなる。年が変わって北京オリンピックが近づくと、他国の選手と練習する機会がなくなり、今回がオリンピック前の最後の他国選手との練習」と参加の目的を話す。

 中国は2005・06年と世界選手権の国別対抗得点で日本に続く2位を確保しながら、今年の世界選手権は「金1・銀1・銅1」の団体4位に後退。五輪実施階級に限れば「銅1」のみ。地元のオリンピックでは“金メダル有望種目
”と期待されているだけに危機感は強く、「これだけ長い間、世界のトップを維持している日本の強さを、ぜひとも学びたい」と続けた。

 「オリンピックでの金メダルの目算は?」という問いには、「今は何とも言えない」と苦笑いしながらも、「55kg級(吉田沙保里)と63kg級(伊調馨)は欠点がないです。48kg級(伊調千春)も強いし、72kg級(浜口京子)も最近は成績を落としているけど、能力のある選手ですね」とお手上げの様子。「日本に、1個だけでも譲ってほしいです」と話した。


 合宿は22日まで。



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