【ルール説明】タックルとタックル返し…全日本大学選手権から【2007年11月13日】
11月8日に行われた全日本大学選手権第1日の60kg級決勝、大沢茂樹(山梨学院大)−小田裕之(国士大)の第3ピリオドに、タックルとタックル返しに関する微妙な判定がありました。ビデオチェックの結果、タックル返しを有利とみて大沢選手に3点が入りましたが、この判定に対し、指導者の中からも疑問の声が多く上がりました。
審判委員会の見解、およびタックルとタックル返しに関しての正しいルールを説明いたします(監修=日本協会・斎藤修審判委員長)。
場面は、第3ピリオドのラスト約10秒、1ポイントを追う小田選手(赤)がタックルを仕掛けたことに始まります。大沢選手(青)はこれを受けて抱え、場外際で後方へタックル返しをしたシーンです。
※VTR → クリック(6秒)
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上記の連続写真の(1〜3)は赤が仕掛けた攻撃です。(3)で持ち上げタックルを狙っています。しかし、こらえられ、(4)の場面で両者の動きが一瞬ストップしています。その後、赤をかかえた青が後方へ投げました(5〜8)。
(1)に始まる赤の攻撃は、(4)の段階で終わっています。その後の両者の体が回転したシーンは、青のアクションによる動きです。したがって、このケースでは青のポイントになります。
もし(4)のシーンがなく、すなわち両者の動きが止まることなく2人の体が回転した場合は、赤の仕掛けによるアクションとみなし、赤のポイントになります。
「青の背中(肩)が完全にマットに落ちていた」という意見があり、この事実に間違いはありません。もし、このアクションがマットの中央で行われていたなら、ポイントは「青3点、赤2点」となります。これはガッツレンチ(ローリング)で、仕掛ける選手が背中をべっとりとマットにつけて回転した場合、両者2点になるケースと同じと思ってください。青にタックル返しで3点が入ったものの、背中を完全についてしまったために2点を失い、「青3点、赤2点」という得点になります。
しかし、ゾーンから場外へ仕掛けた場合と、フリースタイルで0−0から延長にもつれた場合のクリンチの攻防では、両者にポイントをつけることなく、片方の選手のみにポイントをつける原則があり、技を仕掛けた選手にポイントが入ります。今回のケースでは、技を仕掛けた青のポイントになります。