100日合宿スタートから半月、同宿コーチに聞く【2007年7月6日】







 世界選手権(9月17〜23日、アゼルバイジャン・バクー)へ向けて、男子10選手が6月18日に東京・国立スポーツ科学センター(JISS)を中心とした“100日合宿”へ突入し、約半月がすぎた
(右写真=100日合宿入所者を中心にした世界選手権代表メンバー)

 選手とともに寝起きして指導にあたっているフリースタイルの和田貴広コーチ(日本協会専任コーチ)とグレコローマンの伊藤広道コーチ(自衛隊)に、この半月を振り返ってもらうとともに、今後の強化方針を聞いた。


 −−2003年、04年に続いて3年ぶりの100日合宿。約半月を振り返ってください。

 
和田 選手のモチベーションが高くなっていて、練習に臨む姿勢がすごく真剣だと感じます。フリースタイルは最年長の小平(清貴=96kg級)がチームをまとめ、ムードがすごくいいです。同じ目標を持ったトップ選手を集めて長期間合宿をやるという方向性は間違っていないと思います。

 
伊藤 グレコローマンはメンバーがアテネ五輪の時とあまり変わっていない。ベテラン選手が多いので、前回の100日合宿の時と内容は変わっています。各選手の個性を重視する練習に取り組んでいます。

 −−グレコローマンは6月末までキルギスの選手が参加していましたね。

 
伊藤 刺激になりました。外国選手のレスリングを経験しながら、自分のスタイルを探すことができた。

 −−1日のスケジュールを聞かせてください。

 
和田 きょう(7月4日)は朝6時半からランニングを中心としたトレーニングを1時間。朝食をとって少し休み、自衛隊へ移動して9時半からマットワークに参加しました。午後は4時からウエートトレーニングです。

 −−休みの日のすごし方は?

 
和田 ずっとJISSにいては息詰まってしまうので、しっかり休んでほしい。外出して外で食事するとか、休みの時はレスリングを離れて、できるだけリラックスすることが必要。でも、ウエートトレーニング場へ行く選手もいますけどね。

 
伊藤 グレコは家庭のある選手が多い。きちんと家に帰っている、…と思う(笑)。

 −−コーチも家族から離れての生活ですね。

 
和田 選手にとっては世界選手権へ臨む前の大切な時期。覚悟を決めています。でも、休みの日は家に帰っていますよ。

 
伊藤 この先、何年も続くわけじゃない。与えられた使命というか、選ばれたのだから頑張りたい。

 −−11日から長野・菅平の自然の中でトレーニングし、23日からは海外遠征ですね(フリー:ロシア〜ブルガリア=ともに試合に出場、グレコ:ブルガリア=合宿〜試合出場)。

 
伊藤 菅平では体力と精神力の限界に挑んでほしい。遠征では、外国選手との闘いを肌で学び、自分のレベルがどのあたりにあるかを知ってほしい。ブルガリアでの合同合宿にはカザフスタンの選手も参加すると聞いている。ブルガリア、カザフスタンとも軽量級の強い国なので、特に軽量級の選手にいい経験になると思う。

 
和田 フリーは外国チームとの合宿はなく、2大会に出場して実戦経験を養うことが目的です。ここで出てきた欠点や課題に、帰国後に取り組み、世界選手権へ臨みたい。

 −−ある程度結果を求める、と。

 
和田 結果もだけど、試合勘を養ってもらいたい。みんなチャレンジャーなんです。全力でぶつかってもらいたい。あと、外国選手の動向を探ってきたいです。

 −−グレコローマンは中心的な選手の笹本睦(60kg級)と松本慎吾(84kg級)がグルジア合宿へ向かった。柱がいなくなった状況ですが。

 
伊藤 その分、コーチが他の選手に目を向けることができる。残っている選手は、今がチャンスだと思ってほしい。



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