【特集】世界選手権初出場であっても目標は金メダル…女子67kg級・井上佳子【2007年6月11日】








 井上佳子と新海真美による中京女大の同門対決となった女子67kg級の世界選手権代表決定プレーオフは、全日本チャンピオンの井上が制し、世界選手権へ初出場を決めた。

 4月の「ジャパンビバレッジクイーンズカップ2007」では腰痛のためタックルに入れず、思うようなファイトができないまま初戦敗退。悔しい思いをした。その腰の痛みが治り、練習に完全復帰したのは5月下旬の全日本合宿の頃。プレーオフまでの時間は限られていたが、試合ではそれを感じさせない動きを見せた。

 第1ピリオドではタックルに入ったところを振られニアフォールにもっていかれたが、なんとか耐え、その後に望みをつなげた。第2ピリオドは両者譲らず延長に突入。勝利の女神も味方し、コイントスで井上がクリンチの権利を得た。落ち着いてテークダウンを奪い、ピリオドスコアは1−1へ。第3ピリオドはタックルからバックに回り、その1点を死守して世界選手権の切符をもぎとった
(左写真:新海と闘う井上=赤)

 いつも一緒に練習しているため、「やりにくくて、なかなかタックルが決まらなかった」と言うものの、最後に試合を決めたのは片足タックルだった。腰を痛めてから、「今までのタックルではダメ」と判断。修正のために、ずっと片足タックルの練習をしてきた。それが第3ピリオドで実を結び、見事勝利に導いた。

 昨年5月と今年3月にはワールドカップ出場の機会を得て勝利をおさめ、チームに貢献したが、世界選手権は全く別物。「自分の力で勝つしかない」と初めての舞台に向け気を引き締めた。初出場といえども、目指すところは金メダル。万全の状態で臨み、世界選手権でも自分のレスリングを展開してほしい。

(文=神谷衣香、撮影=矢吹建夫)


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