【特集】ウエートアップが順調に進み、世界へ再挑戦…フリースタイル120kg級・田中章仁【2007年6月10日】







 全日本選手権6連覇の田中章仁(FEG)が2年ぶりの優勝を飾り、2年ぶりの世界選手権出場を手にした。

 決勝の相手は大学の後輩でもある荒木田進謙(専大)。本来であれば第一人者を脅かすの存在の荒木田だったが、4月のJOC杯ジュニアオリンピックでヒザを負傷しているとあっては厳しい。手負いの後輩を無難に仕留めた田中は「今日は荒木田君がけがをしてたから」と控えめに試合を振り返った
(右写真:決勝で闘う田中=赤)

 田中はヒザの手術で2006年の大半を棒に振った。1月の全日本選手権に続く日本一で順調な回復ぶりを見せたわけだが、結果だけでなく試合内容も完全復活を強くアピールしていた。世界を目指す田中の望みは単なる復活ではなく、もう一歩踏み込んだリニューアル≠セった。

 リニューアルのカギとなるのがウエートアップだ。ヒザを手術をする前、体重は100sしかなかったそうで、屈強な外国人選手と試合をする上で大きなハンディを幾度となく感じていたという。けがを契機にあらためてウエートトレーニングによる体作りに着手。練習のかいあって田中の胸板は1月時と比べても明らかに厚みを増し、体重は106sに増えた。

 世界で闘うためのプランは着実に進んでいる。しかし層の厚い世界の最重量級で闘うにはまだ不十分。最終予選の残り1秒でアテネ五輪を逃し、世界の怖さを熟知している田中は「世界選手権の目標は一つでも多く勝利すること。まずは110sまで体重を増やしたい」と土台作りを強調していた。

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫) 


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