【特集】アジア大会王者・笹本に続けず!…男子グレコ60kg級・松本隆太郎(日体大)【2007年5月14日】







 2006年ドーハ・アジア大会金メダリスト(笹本睦=ALSOK綜合警備保障)を擁する日本のグレコローマン66s級。今回の日本代表の松本隆太郎(日体大)は、1月に行われた全日本選手権の決勝で笹本に0−2(0-3,1-4)敗れ、アジア・チャンピオンの実力を体で感じた上で、「目標は優勝」と宣言して挑んだ。

 カモル・カルマトフ(ウズベキスタン)との初戦、松本は第1ピリオドに豪快な俵返しで5点を奪われテクニカルフォール負け。「気持ちが入っていないうちにくらってしまった」と反省し、気合を入れ直すと、第2ピリオドはスタンドでカウンターの投げ技を繰り出して3点リードし、ローリングも決めて
(右写真)6−1で返した。

 第3ピリオドは、グラウンドの防御で3点を先制されるも、攻撃権を得ると相手のフライングとローリングで2ポイントを加え、4−3と逆転した。

 ムーン・ホセオン(韓国)との準決勝では、第1ピリオドに胴タックルで1点を獲得した後、相手の攻撃から逃れて場外に押し出して1点を加え、2−1とリードしたが、終了間際に一本背負で投げられ3−4。第2ピリオドはグラウンドの防御でフライングを取られると、俵返しを決められ0−6で敗れた。

 決勝戦進出を逃し、目標は果たせなかったが、4時間の休けいをはさみ気持ちを入れ換えて迎えた3位決定戦。相手は笹本がアジア大会決勝戦で苦戦した盛江(中国)。松本も意識したと言うが、クリンチ(リフト)の攻撃で2度とも立たれてしまい、逆にローリングを決められ、両ピリオドとも0−3。メダルを逃した。

  試合後、松本は「ローリングを練習して、決めるべき時には絶対に決められる選手になること。それと、勝負に徹する精神力。それが今回学んだ課題です」と話すと、6月までに「笹本さんを脅かす存在になる」と誓った。

(文=宮崎俊哉)


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