【特集】幸先いい首投げも実らず…男子グレコ96kg級・加藤賢三(自衛隊)【2007年5月14日】







 昨年に続いての参加となった男子グレコローマン96kg級の加藤賢三(自衛隊)は、昨年と同じく初戦で黒星。敗者復活戦に回ることもなく、不本意な大会を終えた。

 昨年12月のドーハ・アジア大会は重量級カットという厳しい方針のために、マットに上がることができなかった。今回の相手はアジア大会3位のモハメド・アルケン(シリア)。屈辱を跳ね返すには格好の状況だった。開始早々に首投げを決めて3点を取り
(右写真)、幸先いいスタートとなったが、グラウンドの防御でリフト技を決められ逆転負け。第2ピリオドも闘志が空回りしてローリングに失敗。致命的なポイントを失ってしまった。

 「グラウンドが課題なんですよね」。得意の首投げは、国際大会でもよくかかるだけに、グラウンドの攻防でもうひとつの強さが身につけば飛躍へつなげられるはず。自衛隊のコーチでもある伊藤広道・全日本コーチは「首投げで3点を取ったあと、グラウンドの攻撃で確実に回しておけば、リフトを受けても逆転されることはなかった。油断していたわけではないだろうが、あそこでグラウンドのポイントを取れなければならないんだ」と話す。

 2分1ピリオドのルール下では、スタンドの闘いで3点の差をつければ、セーフティー・リードのように思えるが、グラウンドで守り切られれば2点差。グレコローマンではフリースタイル以上に逆転可能な点差であり、決して安全圏ではない。どん欲にポイントを取っていく姿勢が必要になってくるだろう。

 加藤は「強化の課題は、これまでと同じです。グラウンドの防御をしっかりやらなければならない」。国内では、全日本2位の選手がいなくなり(プロレス入り)、気が抜けかねない状況だが、今回の悔しさを忘れずに重量級復権をかけた闘いが期待される。


《iモード=前ページへ戻る》

《前ページに戻る》