【特集】ろっ骨の負傷にもめげずに善戦…男子グレコ55kg級・峯村亮(神奈川大)【2007年5月13日】







 全日本選手権3位入賞を果たしてつかんだアジア選手権。ジュニアでは世界トップクラスの実績を積んできた男子グレコローマン55kg級の峯村亮(神奈川大)にとっては、自分の力が世界のシニアでどこまで通用するか試す大切な大会だった。

 ところが、日本出発を4日後に控えた5月4日、スパーリング中に右ろっ骨を負傷。大きなハンデを背負っての戦いを余儀なくされてしまった。チャ・クワンス(北朝鮮)のとの1回戦。目標とする全日本チャンピオンの豊田雅俊(警視庁)が昨年のドーハ・アジア大会で負けている相手だけに、どうしてもくらいついて金星をあげたいところだったが、第1リオド、第2ピリオドともがぶり返しを続けて決められ、0−5、0−6で敗退。「実力が全く出せず、悔しい」という闘いに終わってしまった。

 全日本チームの伊藤広道コーチによれば、「試合ができるような状態ではなかった」という。しかし、3位決定戦進出が決まると、峯村はテーピング、さらしを巻きなおしてマットに上がった。相手はウズベキスタンのエルダー・カフィソフ。第1ピリオドでは1回戦と同じくスタンドでは互角に戦えたものの、がぶり返しを決められ0−3。ところが、第2ピリオドに入ると峯村は痛さを忘れて意地を見せた。グラウンドの防御立ち上がり、相手の攻撃を0ポイントで防いで1ポイント獲得。攻撃権を得ると、ローリングでポイントを追加
(右写真)。バックを許し1ポイント献上するも2−1でこのピリオドを奪取した。

 一気に高まった銅メダルへの期待。だが、第3ピリオドは先に攻撃権を得たが攻め切れずに0−1。それでも、相手の攻撃を必死に守り、このまま勝利をつかめるかと思われたラスト2秒、動きが止まったところを返され惜敗した。

 試合後、アイシングしながらの痛々しい姿ながら、峯村は6月の明治乳業杯全日本選抜選手権を見据え、力強く言い切った。「悔しい…。あそこで止まらなければ…。(体を)ずらすこともも甘かったです。悔しい。でも、無理しても試合に出て大きな経験をさせてもらいました。ここで学んだことを活かして、悔しさをぶつけ、6月には優勝します」−。

(文=宮崎俊哉)


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