吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)、浜口京子(ジャパンビバレッジ)が金メダル…アジア選手権第3日【2007年5月10日】







 2007年アジア選手権第3日は5月10日、キルギス・ビシュケクで女子4階級が行われ、55kg級の吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)と72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)が優勝した(右写真:金メダルを掲げる浜口京子選手=左=と吉田沙保里選手)

 吉田は2回戦(初戦)、準決勝に圧勝して決勝へ進出。決勝は2006年ドーハ・アジア大会でも闘った蘇麗慧(ス・リフイ=中国)と対戦し、2−0で快勝。国内外の連勝記録を「109」へ伸ばし、国際大会の連勝記録も「107」とした。

 72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)は、1回戦でフォール勝ちしたあと、準決勝で2連敗中のアテネ五輪金メダリストの王旭(ワン・シュ=中国)と対戦。ピリオドスコア1−1のあとの第3ピリオド、コイントスで負けて苦しい展開となったが、粘って逆に1点を獲得。決勝進出を決めた。決勝は昨年3位のオルガ・ジャニベコバ(カザフスタン)相手に2−1で勝ち、昨年に続いて優勝した。

 48kg級の伊調千春(ALSOK綜合警備保障)は先月からの腰痛が完治せずに棄権。63kg級の伊調馨(ALSOK綜合警備保障)も、左太もも裏の肉離れの状況が回復せず、計量はパスしたものの、1回戦を棄権した。

 各選手の成績は下記の通り。


※タイム、スコアは非公式

 ◎女子

 【48kg級】伊調千春(ALSOK綜合警備保障)   

 =計量失格=


 【55kg級】吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)    優勝=9選手出場

【2回戦第1P】開始早々にタックルで1点を先制の吉田(赤) 【2回戦第1P】グラウンド攻撃もさえてフォール勝ち。 【準決勝第1P】2試合目も高速タックルが早々とさく裂。 【準決勝第1P】一気にフォールへ持ち込んだ。時間は24秒!

1回戦  BYE

2回戦 ○[フォール、1P0:57(F7-0)] Su Ying-Tzu(台湾)

 《経過》第1ピリオドの開始23秒に吉田がバックへ回り込んで1点を先制。腕を取ってフォールを狙い、1度は逃げられたが、2度目でしっかりと決めた。

準決勝 ○[フォール、1P0:24(F4-0)] Hong Hyang-Rae(韓国)

 《経過》吉田が第1ピリオドの開始早々にタックルを決め、一気にフォールした。

決 勝 ○[2−0(5-0,5-2)] Su Lihui(蘇麗慧=中国)

【決勝第1P】序盤から吉田(赤)高速タックルがさく裂。フォールの体勢へ追い込んだが、惜しくも逃げられる。 【決勝第1P】脚をさわらせてしまった吉田だが、回り込んで1点。 【決勝第2P】がぶられや吉田は、がぶり返しを受けてしまった。
【決勝第2P】がぶり返しを受けながら、すぐにバックを取る。 【決勝第2P】1−2とされた吉田は怒りの3点タックル。 【決勝第2P】試合終了。フォールできなかった吉田は不満そう。 【表彰式】国際大会26度目の優勝で、107連勝。

 《経過》第1ピリオド、吉田はタックルで1点を取り、ニアフォールへ追い込んで5秒以上押さえて4−0へ。後半、相手のタックルを回りこんで1点を加えた。第2ピリオドはタックルをがぶられ、がぶり返しを受けてしまったが、すぐにバックを取り返して1−2へ。中盤、3点のタックルを決め、最後にもタックルで場外へ出して5−2として勝った。


 【63kg級】伊調馨(ALSOK綜合警備保障)     8位=9選手出場

1回戦 ●[不戦勝] Hou Min-Wen(台湾)


 【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)    優勝=8選手出場
1回戦 ○[フォール、1P2:00(F6-0)] Mariya Orlova(ウズベキスタン)

【1回戦第1P】1点を取った浜口(赤)はグラウンド技で加点。 【2回戦第1P】片足タックルからフォールへ持ち込んだ。

 《経過》第1ピリオド、浜口が引き落として1点を先制。ゴービハインドの体勢から足首を取って相手の体を返して2点を加えた。終盤、片足タックルでテークダウンを奪い、腕を取って一気にフォールを決めた。

準決勝 ○[2−1(1-0=2:09,0-1=2:06,1-0=2:16)] Wang Xu(王旭=中国)

【準決勝第1P】コイントスで勝った浜口(赤)が1点を奪取。 【2回戦第3P】コイントスで負けた浜口は、一度はしりもちをついたが(左)、立て直して反撃(中)。最後は相手のバックへ回り、貴重な1点を取った。

 《経過》第1ピリオドは0−0で、コイントスで勝った浜口がテークダウンを決めた。第2ピリオドも0−0で、コイントスで王旭が攻撃権。浜口は粘ってまだ失点とは思えなかったが、レフェリーにあっさり1点を入れられ、ピリオドスコア1−1のタイへ。

 第3ピリオドも0−0で終わり、コイントスは王旭の勝利。浜口はしりもちをつきながらも、タックル返しを狙い、王の体勢が崩れた時にバックへ回って貴重な1点を取った。

決 勝 ○[2−1(@-1,1-@,2-0)] Olga janibekova(カザフスタン)

【決勝第1P】積極的に攻めた浜口(青)だが決定技が出ない。 【決勝第1P】逆に一本背負いを受け、0−1へ。 【決勝第1P】ラスト1秒で同点のゴービハインド。 【決勝第2P】序盤に1点を取ったが、逆転で2Pを落とす。
【決勝第3P】開始34秒、こん身の力をこめてタックル。 【決勝第3P】相手の突進をかわして場外へ投げた浜口。 【表彰式】金メダルを獲得し、ホッとした笑顔。 【試合後】金メダルを間にはさんで、父にキッス。

 《経過》第1ピリオド、一進一退でお互いにポイントが取れなかったが。1分25秒に浜口が一本背負いを受けて0−1へ。ブレークのあと、残りは25秒で苦しい状況となったが、終了間際に引き落としてバックを取り、ラスト1秒に1−1へ。ラストポイントで浜口が取った。第2ピリオドは25秒に浜口がくぐりタックルで1点を先制したが、その後、攻めあぐみ、ラスト3秒に技術回避の警告を取られ、1−1ながら警告を取られたためにこのピリオドを落とした。

 決勝の第3ピリオドは、浜口が34秒に正面タックルを決めて1−0。1分21秒、相手の突進をかわして場外に出して2−0とし、そのスコアで試合終了。


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