【特集】1年7ヶ月ぶりの国際大会で力出せず…男子フリー120kg級・田中章仁【2007年5月10日】








 左ひざの負傷と治療で昨シーズンを棒に振った男子フリースタイル120kg級の田中章仁(FEG)が、2005年9月以来、1年7ヶ月ぶりに国際大会へ挑んだが、得意技を出すこともできず、初戦で敗退した。

 「無駄な攻めが多かったというか、相手に合わせた試合してしまって、自分のレスリングができなかった」。久しぶりの国際大会ということで、日本選手相手とは肉体的にも気持ち的にも感覚が違い、いまひとつエンジンがかからなかった面がある様子。腰痛も出ていて体調は万全でないようだが、「言い訳になりますから」と言葉少な。「(国際大会だから)どうこうということはないと思います。まして、今日の韓国選手なら(=日本人に似ているため)」と、自らの実力不足を認めた
(左写真=力を出し切れなかった田中)

 2005年の初頭には、デーブ・シュルツ国際大会(米国)で2位、ヤシャドク国際大会(トルコ)で3位など、世界の舞台でも結果を残している選手。外国選手相手の闘いに慣れれば、かつての強さを取り戻せそうだが、最近の全日本チームは“重量級の派遣カット”という厳しい方針を敢行しており、6月の明治乳業杯全日本選抜選手権に勝ったとしても、夏の欧州遠征には派遣されない可能性が高い。

 それについては「仕方ないでしょう。こんな成績では…」と、真摯に受け止めており、「結果を出さなければ…」と気を引き締める。厳しい境遇に立たされていることは確かだが、「まず国内で勝って日本代表になり、世界選手権で勝てるように練習を重ねたい」という。

 「今さら新しい技が身につくものではない。自分の持っている技を磨き、高めていきたい。飛行機投げも得意だけど、最近はかからなくなった。やはりタックル」と話し、今秋の勝負を見据えていた。


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