【特集】8月に北京で昨年の借りを返す!…男子Jr・グレコ50kg級・梶雅晴(青学大)【2007年4月23日】







 兵庫・育英高時代の2006年に5冠王に輝いている梶雅晴(青山学院大=右写真)が圧倒的な実力を見せつけ、2年連続でJOC杯ジュニアの王者についた(カデットを含めて3連覇)。出場選手の多くが高校生ということもあったのだろう、初戦から決勝まで豪快なリフト技を連発して危なげなく優勝。「この大会は通過点に過ぎません」と涼しい顔で言ってのけた。

 今年4月に青山学院大に入学。シニア大会への本格参戦となることから、オリンピック階級である55kg級への転向も選択肢にあった。しかし、「去年の世界ジュニア選手権の借りをどうしても返したい」との思いから今回は50s級での出場を決意したという。

 昨年の世界ジュニア選手権(グアテマラ)は1回戦で同大会で3位に入ったグルジア選手に敗退。外国人選手とのパワーの差を感じ、「とにかく悔しかった」とうなだれるしかなかったが、世界で味わった屈辱は大きなバネになった。

 「パワーアップはもちろん、世界で闘うためにこの1年間は練習した。自分はリフト技が得意だけど外国人選手にはなかなか通用しない。だから防御、そしてスタンドでポイントを取ることと、グラウンドで返せることを意識して練習を重ねた」と言う。高校時代は群を抜く実力だったレスラーが、世界を意識してレスリング改革に取り組み始めたのだから、圧倒的な強さを見せたのもうなずける。

 満を持して挑む今年の世界ジュニア選手権(8月・北京)の目標はもちろん優勝だ。「今年は絶対に優勝したい。そして来年は体を大きくして55kg級に出場したい。世界ジュニア選手権で2階級制覇するのが今の夢です」。来年もジュニアで出場権を残す梶がまずは最軽量級で金メダルを狙う。

(文=渋谷淳)


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