【特集】階級アップを乗り越え2連覇達成…74kg級・高谷惣亮【2007年3月30日】







 昨年の全国高校選抜大会で66kg級を制した高谷惣亮(京都・網野
=左写真)が、今年は1階級上の74kg級で勝って2連覇を達成した。準決勝まではすべて第1ピリオドでフォール勝ちという圧勝。

 決勝の沢謙(青森・光星学院)戦も正面タックルを中心に攻めて2−0の勝利。第2ピリオドのラスト35秒にがぶりからバックを取られて1失点を喫したが、大勢に影響はない失点であり、快勝続きといえる優勝だった。

 1回戦    BYE
 2回戦   ○[フォール、1P1:56(6-1)]酒巻和輝(千葉・佐倉南)
 3回戦   ○[フォール、1P1:35(4-0)]角田亘(埼玉・埼玉栄)
 準々決勝 ○[フォール、1P0:51(5-0)]粥川健人(岐阜・中津商)
 準決勝  ○[フォール、1P0:50(4-2)]福原将太(徳島・池田)
 決  勝  ○[2−0(2-0,3-1)]沢謙(青森・光星学院)

 驚くことに、大会前に右足首を負傷し、「優勝できるかな?」という気持ちだったという。「もし足首が万全であれば、決勝もフォール勝ちしましたよ」ときっぱり。

 1ピリオドが2分となって以来、フォール勝ちというのはよほど実力差のある場合でなければ見られなくなっている。にもかかわらず、1ピリオドでのフォール勝ちの連続。「毎日の練習に必死で取り組んでいるので、自然に『負けられない』という気持ちになっています」と説明し、その原動力はご他聞にもれず練習量。ほかに、「いかに気持ちを強く持つかが大事だと思います。勝つ、という気持ちが、他の選手より強いからだと思います」と分析した。

 1階級上げたのは昨夏のインターハイのあと。当初は「66kg級にはないパワーがあった」と戸惑うことが多く、10月の国体は江藤公用(宮崎・福島)に0−2で黒星。階級アップはすんなりとはいかなかった。今もパワーだけなら自分より上の選手もいることを感じ、66kg級で身につけたテクニックで対抗している状態だという
(右写真:決勝戦第2ピリオド、正面タックルで相手を場外に押し出す高谷=青)

 それらの選手がテクニックを身につけたら、こう簡単に勝たせてはもらえないだろう。インターハイへ向けて、74kg級の体力をしっかりとつけることが課題となりそうだが、それと並行して、団体戦でも勝てるようにすることも目標として掲げた。

 今大会の団体戦は準々決勝で秋田商に2−5で敗れ、昨年の2位を下回ってしまった。これは主将として納得できない結果。「個々の選手のレベルは高いと思う。でも気持ちが足りず、プレッシャーに負けて、勝てる相手に負けてしまう選手が多い。気持ちを強くし、団体戦で勝てるチームをつくりたい」。強いばかりではなく、リーダーシップも十分。インターハイでの、自身とチームの成長に期待したい。


《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》