NTS(ナショナル・トレーニング・センター)中央研修会がスタート2007年3月9日】



全国から51人の若手有望選手が参加した第7回合宿。 フリースタイルを指導する佐藤満・強化委員(中央右)。 グレコローマンを指導する嘉戸洋・専任コーチ(中央)。

 全国から有望な若手選手を集めて行われる2006年(平成18年)度のNTS(ナショナルトレーニングシステム)中央研修会が3月8日、東京・国立スポーツ科学センター(JISS)でスタートした。

 集まったのは、高校生はインターハイ王者と全国6ブロックから各2名の推薦選手(主に高校1・2年生選手)、全日本学生選手権の優勝選手7人、12大学から推薦された24選手の計51選手。昨年までと違って大学からも学生王者と各2選手が参加しており、その中には昨年世界選手権3位の高塚紀行選手(日大)の顔も。まさに16歳〜21歳の若手精鋭選手が集った。

 指導は、フリースタイルは日本協会の佐藤満強化委員(専大教)と茨城・霞ヶ浦高校の大沢友博監督、グレコローマンは日本協会の嘉戸洋専任コーチと久木留毅強化委員(専大教)。他に、日本協会の富山英明強化委員長(日大)と土方政和強化副委員長(警視庁)、アテネ五輪男子フリースタイル55kg級銅メダリストの田南部力コーチ(警視庁)ほか社会人選手もコーチとして加わり、6ブロックからも1人ずつの高校監督が参加した。

 富山強化委員長は「ひとつの技を自分のものにするには、真剣にやっても最低3ヶ月はかかる。ひとつひとつの技を意識して反復し、気持ちと体が一体になるよう努力してほしい」と選手に対してあいさつ。

 佐藤満強化委員は「この合宿をやるようになって7年目。選手たちも貴重な合宿だという意識を持ってくれている。全国から優秀な選手が集まっているので、技をよく理解してくれている。ペースを上げて多く技を教えることができる」と満足そう。一方、グレコローマンはやや選手数が少なく、嘉戸コーチはちょっぴり残念そう。「ナショナルチームと同じ技を教えている。若い年代からグレコローマンを覚えてほしい。そうでなければ、チビッ子の時からグレコローマンに親しんでいる欧州の選手には勝てない。世界で通用するようになるのが20代後半では遅い。20代前半で世界で通じるグレコローマン選手を育成したい」と話した。

 久木留強化委員は「この合宿の第1回の時のメンバーの中に小島豪臣(フリー66kg級)、江藤紀友(グレコ66kg級)、長谷川恒平(グレコ55kg級)らがいた。最近の若手の躍進は、この合宿の成果が大きい」と振り返り、「このメンバーの中から必ずオリンピック選手が生まれる。2012年ロンドン五輪の時が22〜27歳、2016年五輪の時が26〜31歳になる選手たち。しっかり育てたい」と話した。

 研修会は12日まで。1日3度の練習と、夜はビデオによる研究や栄養学などの講義が行われ、レスリング漬けの4泊5日となる。



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