【特集】粘り勝ちできる実力で銀メダル獲得…男子フリー66kg級・米満達弘2007年3月6日】







 チーム最年少の20歳にて2度目の全日本チーム遠征となったフリースタイル63kg級の米満達弘(拓大)は、初戦から1ピリオドも落とすことなく勝ち上がり、決勝進出を決めた。しかし、決勝は地元選手に1ポイントも取ることができずに完敗した。

 前回の全日本遠征となった昨年8月の「ベログラゾフ国際大会」(ロシア)では初戦敗退だっただけに、決勝までいけたことは「よかった」と振り返った。しかしが、「決勝の内容がよくなかったので、これではダメ」と、うれしさは少ない。

 決勝の相手は、国際舞台では特別に実績のある選手ではなく、「強かったけれど、勝てない相手ではない」という感触。第2ピリオドはタックルで攻めて体勢が悪くなり
(右写真)、不覚にも右腕ごと胴を締められてしまったためにガッツレンチを3回転連続で受けてしまったのであり、ポイント差ほどの実力差は感じなかったようだ。

 3回戦の第2ピリオドはラスト2秒で、準決勝の第1ピリオドはラスト1秒、第2ピリオドも5−5の内容差で負けているところを終盤でけりをつけるなど、粘りが随所に見られた。リードして終盤に入ると、守りに入ってくるのが普通。守っている選手を相手にポイントを取るのは大変だが、「そんな時は、絶対に攻撃してこないし、油断している時もある。守ることを考えずに攻めることだけを考えればいい。意外にポイントを取れることが分かった」と言う。

 それであっても、ラスト10秒を切ってから逆転するのは、相当の技量がなければできないこと。残り時間なども計算しながら勝負をかけられるだけの実力は間違いなくついている。しかし「理想は、先制してポイントをやらずに勝つこと。そうした試合ができるように練習したい」と言う。

 外国選手相手に1日4試合やるのは、もちろん初めての経験。肉体的には「外国選手はばてる。(準決勝までは)どの試合も後半は攻撃できた」そうだが、集中力の面では「ちょっときつかった。決勝では、集中力が切れかかっていたかも」と言う。集中力は体力の裏づけがあってこそ続くもの。1日4、5試合をこなせる体力の養成という課題も見つかったようだ
(左写真=表彰式ではほとんど顔を上げなかった米満)

 銀メダルという結果以上に、いろんな面で学ぶことの多かった国際大会。全日本王者の小島豪臣(周南システム産業)より順位で上回ったが、「組み合わせの問題もありますし、まだ上回ったとは思っていません」と、この好成績に気をゆるめることなく6月の明治乳業杯全日本選抜選手権優勝を目指す。


《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》