井上謙二(自衛隊)が銅メダル獲得…ヤシャ・ドク国際大会最終日2007年3月5日】






 男子フリースタイルの全日本チームが出場したヤシャ・ドク国際大会最終日は3月4日、トルコ・アンカラで行われ、60kg級の井上謙二(自衛隊=右写真)が3位に入賞した。井上は3回戦で日本人対決となった湯元健一(日体大)を破って準決勝へ進出。そこで敗れたものの、3位決定戦でレファン・チャブラーゼ(グルジア)を破った。

 湯元は井上が準決勝で負けたため敗者復活戦に回れなかったが、1勝しているので9位になった。74kg級の長島和幸(クリナップ)は初戦で敗れ、敗者復活戦へ回れなかった。

 この日で全階級が終了。日本は前日の55kg級の「金1・銀」と66kg級の「銀1」を合わせ、「金1・銀2・銅1」を獲得。国別対抗得点では、全階級出場の米国に1点差の4位だった。

 各選手の成績は下記の通り。全日本チームは5日にブルガリアへ移動。ソフィアから約200kmの場所にある標高2000メートルのベルメケンで行われるブルガリア・チームの合宿に、アルメニア、モンゴル、カナダとともに参加する。合宿は40日間に渡って続くが、日本チームは13日まで合流。14日に現地を発ち、16日に帰国する
(左写真=遠征の前半を終え、ブルガリアへ向かう全日本チーム)


 【60kg級】湯元健一(日体大)     9位=21選手出場

1回戦  BYE

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【2回戦1P】がぶって片足を取り、湯元(青)が先制。 【2回戦2P】湯元(青)が開始早々に正面タックルで3−0とした。

2回戦 ○[2−0(1-0,5-1)]Mustafa Kartal(トルコ)

 《経過》第1ピリオド、湯元ががぶりから片足タックルに移行し、バックを取って1点を先制。終了間際にもタックルを仕掛けて攻撃したが、時間の方が早かった。第2ピリオドは開始早々に正面タックルで3−0。45秒、1分25秒にも1点を追加し、足折りまたさきを狙ったが体を入れ替えられた。しかすい5−1で2ピリオドを連取。

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【3回戦1P】攻める井上(青)だが、2分間は0−0。 【3回戦2P】湯元(赤)が22秒で1点を先制。最後は2−0。 【3回戦3P】仕掛けた湯元(赤)は、体を入れ替えられ場外へ。 【3回戦3P】井上が全日本選手権決勝のリベンジに成功。

3回戦 ●[1−2(0-1,2-0,0-1)]井上謙二(自衛隊)

 《経過》第1ピリオドは0−0で2分間終了。湯元がコイントスで勝ったが、井上に立たれてスタンドでの闘いとなり、逆に場外へ出されて落とす不覚。第2ピリオドは湯元が22秒と1分20秒にタックルを決めて2−0。

 第3ピリオドは一進一退で両者ポイントがなく終盤へ。湯元が仕掛けてタックルで攻めたが、井上がうまくかわして逆に湯元を場外へ。井上がラスト6秒で貴重な1点を取り、日本人対決を制した。

(井上が準決勝で敗れたため、敗者復活戦へ回れず)


 【60kg級】井上謙二(自衛隊)     3位=21選手出場

1回戦  BYE

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【2回戦1P】井上が巻き投げから1点を先制。 【2回戦2P】最後は足を固めての横崩しで7−0へ。

2回戦 ○[2−0(2-1,TF7-0=1:15)]Erhan Bakir(トルコ)

 《経過》第1ピリオド中盤、井上が巻き投げで1点を先制。しかし1分38秒に片足タックルを受けて場外へ出されて1−1へ。しかしラスト10秒、巻き投げを仕掛け、相手の体勢を崩して場外へ出して2−1とした。第2ピリオドは20秒で1−0とし、足首へのタックルからアンクルホールドで4−0へ。続いて、相手の足を折り曲げての横崩しで2+1点を取って7−0とした。

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3回戦 ○[2−1(1-0,0-2,1-0)]湯元健一(日体大)

 ※写真、経過とも湯元の項参照

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【準決勝1P】1−1の後、追加点を狙う井上だが…。 【準決勝2P】井上の代名詞となった巻き投げで勝負をかけた。

準決勝 ●[0−2(1-2,0-1)]Cetin Ersin(トルコ)

 《経過》第1ピリオド、井上は巻き投げを仕掛けたが、ポイントにつながらずバックを取られた(0失点)。このあと、足を固められてガッツレンチを受けてしまい0−1。すぐにローシングルで1−1としたが、ラスト18秒、崩されてテークダウンを奪われ1−2とされた。第2ピリオドは18秒に崩してバックを取られ0−1。終了間際に巻き投げを狙ったが、バックの取り合いとなった最中にタイムアップ。

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【3決戦1P】得意の巻き投げをかけた井上(青)だが、決まらず。 【3決戦2P】勝負をかけた相手のタックルを返した井上(青)。 【3決戦3P】3位目指して必死に攻めた井上(青)。 【3決戦3P】クリンチからのチャンスを確実にゲット。

3位決定戦 ○[2−1(0-1,3L-3,1-0=2:07)]Levan Chabradze(グルジア)

 《経過》第1ピリオド、井上は1分35秒に一本背負いを受け、場外かと思われたが1失点。終了間際の巻き投げはタイムアップ。第2ピリオド、開始早々相手のタックルを約40秒こらえた井上だが1失点。しかし巻き投げで1−1へ。終了直後、相手のタックルを井上が返し、ビデオチェックの結果、両者2点。3−3でラストポイントで井上が取った。

 第3ピリオドは2分間を0−0。コイントスで勝った井上が確実に決めた。


 【74kg級】長島和幸(クリナップ)       25選手出場

【1回戦1P】長島(赤)が首投げで3点を先制したが…。 【1回戦2P】がぶって勝負をかけたが、そのまま痛恨の場外。

1回戦 ●[0−2(3-4,1-2)]Yusuf Kose(トルコ)

 《経過》第1ピリオド終盤、長島が首投げを決めて3点。しかしバックに回られて3−1。場外へ出されて3−2となったあと、相手のがぶり返しを受けてしまった。時計の残り時間は「0」となっていたが認められ、3−4と逆転された。第2ピリオドもなかなかポイントが入らなかったが、1分45秒、長島の投げの失敗がリスクレスリングととられずに0−1。ブレーク後、長島はがぶりで勝負をかけたが、そのまま場外へ出されて0−2。終了間際にバックを取ったが1−2で敗れた。

(コセが2回戦で敗れたため、敗者復活戦へ回れず)



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