松永共広(ALSOK綜合警備保障)が優勝…ヤシャ・ドク国際大会第1日2007年3月4日】






 男子フリースタイルの全日本チームが出場したヤシャ・ドク国際大会は3月3日、トルコ・アンカラで開幕。男子フリースタイルは4階級が行われ、55kg級は初戦で2005年世界3位のナランバータル・バヤラー(モンゴル)を破った松永共広(ALSOK綜合警備保障=写真右)が、決勝で田岡秀規(自衛隊=写真左)を接戦の末に破って優勝した。松永は2年前のこの大会でも優勝している。

 66kg級は米満達弘(拓大)が決勝まで進んだものの、地元選手に敗れて2位。同級の小島豪臣(周南システム産業)は準決勝まで進んで敗れ、3位決定戦でもロシア選手に微妙な判定で敗れて5位に終わった。

 84kg級の鈴木豊(自衛隊)は初戦で敗れ、敗者復活戦へ回れなかった。なお、120kg級には出場していない。

 各選手の成績は下記の通り。


 【55kg級】松永共広(ALSOK綜合警備保障)     優勝=24選手出場

【2回戦1P】松永(赤)はスタンドでもつれながらも、相手を場外へ出した。 【2回戦2P】一本背負いを決めた松永(赤)。ビデオチェックの結果、貴重な1点。 【3回戦1P】前半、テークダウンを奪った松永(赤)。相手の足を四の字に固め、そのままフォールへ。

1回戦  BYE

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2回戦 ○[2−0(1-0,1L-1)]Naranbaatar Bayaraa(モンゴル)

 《経過》第1ピリオド、投げの打ち合いでもつれた時、モンゴルの足が一瞬だが場外へ出て、松永が1−0。第2ピリオドは18秒、松永がタックルで1点を取られたが、1分40秒に一本背負い。当初は0点だったが、ビデオチェックの 結果、コレクトホールドの1点が入り1−1。ラストポイントで松永が勝った。

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3回戦 ○[フォール、1P1:10(F3-0)]Demir Muhammed(トルコ)

 《経過》第1ピリオド中盤、タックルを決めた松永は、相手の足を四の字に固め、そのままフォールへ持ち込んだ。

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【準決勝】第1、2ピリオドとも余裕をもって試合を進め、最後はフォール勝ち。

準決勝 ○[フォール、2P2:00(TF6-0=?,F5-2)]Mahmut Bayoglu(トルコ)

 《結果》松永が第1ピリオド、テークダウンとガッツレンチで3−0へ。さらにタックルで1点を加えたあと、ニアフォールへ追い込んで6点差とした。第2ピリオドも終始攻め、もつれて2点を取られたりもしたが、最後はフォールを決めた。

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【決勝1P】田岡(青)のタックル。松永が返して、ポイントは3−2。 【決勝2P】松永(赤)が中盤にタックルを決め、1−0へ。 【決勝2P】合宿、遠征で毎日練習している2人。接戦となった。 【決勝3P】一瞬のすきをついて松永が決勝のタックル。

決勝 ○[2−1(2-3,1-0,1-0)]田岡秀規(自衛隊)

 《経過》第1ピリオド、田岡のタックルを松永が返し、当初は松永に3点。ビデオチェックの結果、田岡が3点で松永が2点。このままのスコアで終了。第2ピリオドは44秒に松永が横から攻めてテークダウンを奪い、1−0としてピリオドスコア1−1へ。

 第3ピリオドは開始25秒、松永が片足タックルから田岡の体を持ち上げてテークダウンを奪い、決勝の1点を取った。


 【55kg級】田岡秀規(自衛隊)     2位=24選手出場

【1回戦1P】0−1とされた田岡(青)だが、タックルで1−1へ。 【1回戦2P】得意の飛行機投げが決まって、第2Pも勝つ。 【2回戦1P】田岡(赤)が相手を押し倒して3−0へ。 【2回戦2P】ラスト5秒、田岡(赤)執念のがぶり返し。

1回戦 ○[2−0(1L-1,TF7-0=1:48)]Neychev Stetoslav(ブルガリア)

 《経過》第1ピリオド、40秒にタックルを先制された田岡だが、1分20秒にタックルを決めて1−1。ラストポイン トでこのピリオドを先制。第2ピリオドは田岡が腰投げで相手を崩して1点を先制し、終盤に飛行機投げを決めて押さ え込み。フォールはならなかったが、7−0としてテクニカルフォール。

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2回戦 ○[2−0(3-0,2-1)]Atalay Suhrab(トルコ)

 《経過》第1ピリオド中盤、田岡がタックルを決めて1−0。田岡は終盤、もつれて押し倒して2点を加えた。第2ピリオドは1分30秒に田岡が送り出しのような形で場外に出されて1失点。しかしラスト5秒、がぶり返しを決めて2−1と逆転した。

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【3回戦2P】開始早々に3点タックルを決めた田岡(青)。 【3回戦2P】中盤にもタックル。もつれたが、最後は勝つ。 【準決勝2P】田岡(赤)の巻き投げ。貴重な1点。 【準決勝2P】巻き投げで取った1点を守り切った。

3回戦 ○[2−0(3-0,7-5)]Akgul Sezer(トルコ)

 《経過》第1ピリオド、タックルから浴びせ倒しのようになって田岡が2点を獲得。終盤、足払いで1点を加え3−0。第2ピリオド、田岡は開始早々に3点となる正面タックル。中盤にもタックルを仕掛け、これは返されて両者2点。バックを取られたまま立ち上がったが、バック投げを受けて3点を取られ、スコアは5−5へ。しかし1分26秒と1分49秒に1点ずつ加え、7−5とした。

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準決勝 ○[2−0(1-0,1-0)]Eward Mercel(ドイツ)

 《経過》第1ピリオド、両者ともポイントがとれなかったが、終了間際に田岡が仕掛け、タックルを決めた。第2ピリオドは中盤に田岡が巻き投げで1点を取り、この1点を守り切った。

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決勝 ●[1−2(3-2,0-1,0-1)]松永共広(ALSOK綜合警備保障)

 ※写真、経過とも松永の項参照


 【66kg級】小島豪臣(周南システム産業)      5位=27選手出場

【1回戦1P】タックルで1点を先制した小島(赤)。 【1回戦3P】小島(赤)はすくい投げからフォール。 【2回戦2P】バックを取ってガッツレンチで3−0へ。 【2回戦2P】一瞬3−4とされた小島(青)だが最後に2点!

1回戦 ○[フォール、3P1:50(1-0.0-1,F4-0)]Cadir Ugur(トルコ)

 《経過》第1ピリオドは小島が1分24秒にタックルを決めて1−0。第2ピリオド、中盤に相手の一本背負いこらえたが、審判団の判定は1点。0−1でタイスコアとされた。

 第3ピリオドは小島が相手の頭を落としてバックを取り、1−0と先制。終盤、圧力をかけてからすくい投げをきれいに決め、そのままフォールした。

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2回戦 ○[2−1(1-0=2:08,1-4,5-4)]Yesil Ayetullah(トルコ)

 《経過》第1ピリオド、2分間の闘いは0−0。コイントスで勝った小島がしっかりテークダウンを決めた。第2ピリオドはタックルを決められた小島がガッツレンチを受けてニアフォールに追い込まれ4失点。最後に1点を返したが1−4で終了。

 第3ピリオド、小島は腰投げを仕掛けてバックを取り、ガッツレンチを決めて3−0。テークダウンを取られて3−となったあと、小島のタックルが見事に返されて、両者がもつれた。ビデオチェックの結果、相手のタックル返しに3点が入ったが、その後、小島が押さえ込んでいるので2点。小島が5−4で接戦を勝った。

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【3回戦1P】小島(赤)クリンチの防御で30秒を守り切った。 【3回戦2P】同じくクリンチの防御。今度も守り切る。 【準決勝1P】1点を取られ、必死に守った小島だが…。 【準決勝2P】ガッツレンチを狙って体勢を悪くした小島(赤)。

3回戦 ○[2−0(1-0=2:30,1-0=2:30)]Ilkhan Muhammed(トルコ)

 《経過》第1、2ピリオドとも2分間の攻防は0−0。コイントスでともに負けた小島だが、両ピリオドとも30秒をしのぎ、粘り勝ちした。

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準決勝 ●[フォール、2P1:14(TF0-6=1:47,F1-3)]Ramazan Sahin(トルコ)

 《経過》第1ピリオド、テークダウンを奪われた小島はガッツレンチを決められ0−3。さらにカウンター技を受けるなどして0−6とされた。第2ピリオドはテークダンを奪って1点を取ったものの、ガッツレンチの仕掛けが甘く、乗られてしまい、フォールされてしまった。

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【3決戦2P】先制されたものの、第2Pを取った小島(青)。 【3決戦3P】1−0のあと、相手のタックルをこらえた小島(青)。押し倒したように見えたが(右)、このあと場外に出て痛恨の1失点。 【3決戦3P】納得のいかない小島はチャーマンに詰め寄った。

3位決定戦 ●[1−2(0-1,1-0,1-1L)]Rasul Dzavkaev(ロシア)

 《経過》第1ピリオド、両者ともポイントが取れないまま終盤に突入。ラスト14秒、小島が頭を相手の体につけていたという理由で技術回避の警告を取られた。第2ピリオドは中盤、小島がタックル。返されそうになったが、うまい身のこなしで小島にポイントが入って1−0。

 第3ピリオドは開始早々に小島が1点を取り、1−0で終盤へ。ロシアのタックルを小島がうまくさばいて押さえ込んだように見えたが、ビデオチェックの結果、小島が場外に出たとして1点を取られ、1−1のラストポイントでロシアの手が上がった。


 【66kg級】米満達弘(拓大)      2位=27選手出場

【2回戦3P】決勝の第3P、タックルを仕掛ける米満(赤)。 【2回戦3P】左写真のあと、最後はフォールへ。 【3回戦1P】1−0のあと、片足タックルの取り合いへ。 【3回戦2P】米満(青)の一本背負い。1点と判定された。

1回戦  BYE

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2回戦 ○[フォール、3P0:18(0-4,5-2,F3-0)]Martin Emilov(ブルガリア)


 《経過》第1ピリオドは米満のタックルがタックル返しで返されるなどし、0−4。第2ピリオド、米満は持ち上げるタックルを決めて3−0。この後、守りに入ってしまい技術回避の警告を受け、テークダウンを決められて3−2。しかし体を入れ替えてニアフォールを奪い、5−2とした。

 第3ピリオドは米満がタックルを決め、そのままフォールへ持ち込んだ。

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3回戦 ○[2−0(1-0,2-1)]Kuyucu Mustafa(トルコ)

 《経過》第1ピリオド、米満は相手の片足タックルを回りこんで1点を先制。終盤、片足タックルの取り合いになったが、その最中にホイッスル。第2ピリオド、米満の一本背負いが2点を判定され、すぐにバックを取られて2−1。ビデオチェックの結果、一本背負いは1点と判定され、1−1。このままではラストポイントで負けてしまう米満は、ラスト2秒、くぐるようなタックルを決めて2−1へ。逆転で勝った。

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【準決勝1P】1−2のあと、逆転を狙った米満(赤)のタックル。 【準決勝2P】米満(赤)は巻き投げで3点を奪った。

準決勝 ○[2−0(4-2,TF9-5=1:34)]Zack Esposito(米国)

 《経過》第1ピリオド、最初に組まれたまま押し出された米満だが、中盤、タックルで1−1。再度のタックルは返されて1−2とされたが、ラスト1秒に3点のタックルを決め4−2と逆転。第2ピリオドも足掛けタックルで先制された米満だが、巻き投げで3点獲得(バックへ回られ1失点)。このあと、米満のタックルが返されてもつれ、ビデオチェックの結果、5−5へ。米満はテークダウンを取って6−5としたあと、タックルでこのピリオド2度目の3点技を決め、テクニカルフォールした。

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【決勝1P】優勝目指して地元選手に挑んだ米満(赤)。 【決勝1P】がぶり返しは耐えたが、このあとバックへ回られる。 【決勝2P】タックルへ行った米満(赤)は、体勢を悪くした。 【決勝2P】右腕をしっかり極められ、ガッツレンチ3回転。

決勝 ●[0−2(0-3、TF0-7=0:51]Ramazan Sahin(トルコ)

 《経過》第1ピリオド、相手のがぶり返しをこらえたに見えた米満だが、バックに回られて1失点。米満は中盤、タックルへ入り、レッグホールドを狙ったが失敗して0−3へ。第2ピリオド、タックルで攻めた米満だが、体勢を悪くしてしまい、右腕を極められてのガッツレンチ3回転を受けてしまってテクニカルフォールで敗れた。


 【84kg級】鈴木豊(自衛隊)       24選手出場

【1回戦1P】3−4のあとタックルで4−4とした鈴木(赤)だが…。 【1回戦2P】破れたものの、相手を“こわす”暴れっぷり。

1回戦  BYE

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2回戦 ●[0−2(4-4B,2-4)]Chris Pendktanrics (米国)

 《経過》第1ピリオド開始12秒、米国が豪快なタックルで3点を獲得。もう1度タックルを決めた。0−4とされた鈴木だが、終盤反撃。回り込んで1点を取り、ガッツレンチで2点。ラスト1秒にテークダウンを決めて4−4としたが、ビッグポイント差で敗れた。第2ピリオドも序盤に4点を奪われ、2点を返すにとどまった。

(ペンドカンリクスは3回戦で敗退したため、鈴木は敗者復活戦へ回れず)



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