男子フリースタイル全日本チームが合宿スタート2007年2月23日】

和田貴広コーチによる基本の復習。2泊3日の短い合宿だが、「内容を濃くしたい」と言う。
55kg級全日本1位の松永共広(右)と2位の田岡秀規のスパーリング。今年の世界選手権代表はどちら? 66kg級全日本1位の小島豪臣(上)と2位の米満達弘の練習を富山英明強化委員長が見つめる。

 全日本選手権1、2位を中心とした男子フリースタイルの全日本チームが2月22日、東京・国立スポーツ科学センター(JISS)で今年最初の合宿をスタートさせた。

 軽量級を中心とした8選手は27日から欧州遠征へ出発し、3月3〜4日の「ヤシャドク国際大会」(トルコ)に出場するため、今回の合宿は「新しい技をマスターするというより、今までやってきたことの復習。冬の国際大会出場は練習の一環だが、数少ない国際試合の経験。勝つことを目標に、いいコンディションをつくらせたい」(和田貴広・日本協会専任コーチ)と、調整の要素が大きい合宿。肉体を追い込む合宿は、大会の後に予定しているブルガリアで合宿になるという。

 とはいえ、練習では全日本選手権の1位選手と2位選手がスパーリングすることもあり、負けじ魂を前面に出した激しい練習が展開された。グレコローマンの全日本チームは、アジア大会、全日本選手権と大会が続いたため、全日本チャンピオンの冬の遠征はとりやめたが、フリースタイルの王者は若手が多いこともあり、和田コーチは「遠征の試合と合宿で多くの経験を積んでほしい」と、この冬からエンジン全開を望んだ。

 富山英明強化委員長は練習後、「練習を見学に来た人から『全日本チームの合宿ですか?』と言われた。それだけ気迫の足りない練習ということだ」と、まだ気迫が足りないと叱咤(しった)。「練習中、動きをとめている選手でチャンピオンになった話は聞いたことがない。強くなる選手は、スパーリングの合間にも常に動いている。体力はつけすぎて駄目ということはない。選抜(6月の全日本選抜選手権)のことを頭に入れるのではなく、もっと上を目指してやってほしい。遠征で勝負、と考えるのではなく、1日1日が勝負だ」と厳しい言葉を並べた。

 合宿は24日まで行われる。


“KIDキラー”としてアテネ五輪時より有名になった井上謙二(左)。3年ぶりに冬の遠征へ参加する。 74kg級新王者の長島和幸(右)はベネズエラ代表を目指すマキシモ・ブランコと壮絶スパーリング。 練習後、富山英明強化委員長から「気迫が足りない」と厳しい言葉。


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