【優勝選手特集】男子グレコローマン60kg級・笹本睦2007年1月29日】







 「国内で圧勝できなければ、世界には通じない」。そう決意を固めて大会に臨んだ男子グレコローマン60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)は、初戦、城戸義貴(徳山大)を相手に第1ピリオドいきなり7ポイント獲得するなどして圧勝。

 続く谷岡泰幸(自衛隊)との準決勝でも2−0(5−1、5−0)と快勝して決勝戦に進むと、今年度に学生二冠と国体を制した北岡秀王(日体大)を破って勝ち上がってきた松本隆太郎(日体大)も全く寄せつけず、力の違いを見せつけるかのようにローリングを連発。3−0、4−1で大会最終日のオオトリを飾って、見事7連覇を達成し、大会最優秀選手に贈られる天皇杯に輝いた。

 優勝インタビューでは、「オリンピック3大会連続出場に向けて、最高のスタートが切れました。今年9月にアゼルバイジャンで行われる世界選手権で金メダルを取って、そのままの勢いで、2008年北京オリンピックでも金メダルを取ります」と宣言。自ら「笹本時代
」到来を高らかに告げた。

 弱冠22歳、大学卒業と同時にシドニー五輪出場を果たし、アテネ五輪にも出場。世界選手権も5大会連続出場を果たしながら、結果を残すことができず、“無冠”の帝王だった笹本が、ドーハ・アジア大会で自ら大きな壁を打ち破り、金メダルを獲得。世界に通用するテクニックとパワーにさらに自信という最大の武器をプラスして、北京への道を突き進む。

(文=宮崎俊哉、撮影=矢吹建夫)


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