レスリング復帰の山本“KID”徳郁(KILLER BEE)が公開練習2007年1月12日】







 1999年の天皇杯全日本選手権以来、約7年2ヶ月ぶりにレスリングへ復帰するプロ格闘家、山本“KID”徳郁(KILLER BEE)が1月11日、母校であり練習場所の山梨学院大で、天皇杯全日本選手権(1月26〜28日、東京・駒沢体育館)へ向けて練習を公開した。

 練習に先立って行われた記者会見(
右写真=高田裕司監督とKID)で、KIDは「あと2週間、追い込んだ練習をしたい。けがをしないようにし、頑張ってやっていきたい」「(出場するフリースタイル60kg級は)世界で通用する選手ばかり。自分の力を出し切りたい」と、控えめな言葉に終始。プロの一流選手ならば強気なマイクパフォーマンスで世間の関心を引きつけるのが普通で、プロボクシングの亀田興毅選手ほどではなくとも、それを期待していた約50人の報道陣もちょっぴり拍子抜け。

 恩師の高田裕司・山梨学院大監督が「もうアマチュアのモードに入っているんです。気合が入っているん証拠です」とフォロー。プロの世界と違い、アマの世界は勝つことがすべて。その世界へ挑む以上、パフォーマンスは必要ない、と言わんばかりの行動が、かえって強い決意を感じさせた。

 復帰を表明してから約半年。当初はレスリングの低い姿勢を続けるのが「きつい」と言っていたが、「まだ辛いけれど、かなり慣れた」と言う。「スタミナに不安があった」という高田監督も、20歳前後の学生選手と同じような練習をこなすまでの体力に「大丈夫と思う」と太鼓判。スピードは当初から十分にあり、「トップ選手もそのスピードには戸惑うと思う」と話した。

 減量が少なく(2〜3kg)、練習での体力がそのまま試合で生かされることと、4〜5万人もの大観衆の中で試合をやっている勝負度胸は「大きな武器」とも言う。高田監督自身もブランクのあとに現役復帰した経験があり、その第1戦は「緊張した」と言うが、「KIDの場合は、それほど緊張しないのでは?」と見ている。

 今回の全日本選手権は、北京オリンピックの日本代表選考レースの最初の大会。ここで上位入賞を逃すようなことがあれば、次の選考レースでもある来年6月の明治乳業杯全日本選抜選手権への出場権が得られなくなる。「その場合はどうするか?」との質問には、「やってみてから考えます」と答え、目の前の大会に全力投球の姿勢を見せた。

 公開練習
(上写真)では、補強練習を含めて学生選手とほぼ同じメニューを約2時間こなし、順調な仕上がりをアピールした。


 【注】山本“KID”徳郁選手の出場する男子フリースタイル60kg級は、1月28日(日)で、試合開始は午前10時ですが、試合の組み合わせは前日の抽選で決まりますので、現段階では未定です。したがって、山本選手が出場する最初の試合は、午前10時〜正午頃の間に行われる予定ですが、具体的な時刻も未定です。



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