【全日本選手権優勝選手】女子51kg級・堀内優(京都・網野高)【2008年12月22日】



 10月の世界選手権で優勝し、引退の花道を演出してみせた坂本日登美(自衛隊)の後継者争いとなった女子51kg級は、17歳(23日で18歳)の世界ジュニア・チャンピオン、堀内優(京都・網野高)が制した。

 決勝に勝ち上がってきたのは甲斐友梨(アイシン・エイ・ダブリュ)と堀内。甲斐のセコンドには、北京五輪48s級銀メダルの伊調千春(ALSOK綜合警備)が、堀内のセコンドには世界チャンピオンの正田絢子(網野クラブ)がついて両者にゲキを送る。

 両者の対決は、今年4月のジャパンビバレッジ杯全日本女子選手権準決勝で実現しており、堀内が勝利している。堀内は決勝で坂本日登美に敗れた。オリンピック階級ではないものの、坂本の後継者を名乗るのはいったいどちらか!?

 試合開始のホイッスルと同時に右に回りながらタックルのタイミングを図る堀内。甲斐の右足への片足タックルからかつぎ上げ、前方に倒してテークダウンで1ポイントを先制。またも甲斐の右足にタックルを仕掛ける堀内。切り返す甲斐。だがポイントは奪えず。第1ピリオドは堀内が1-0で制した。

 第2ピリオドは両者ポイントを奪って1−1。堀内のタックルがぶる甲斐。これを切り返してテークダウンを奪った堀内が2ポイント奪って3−1に。ここからグラウンドでニアフォールにもっていく堀内。さらにグラウンドで甲斐をコントロールすると一気にフォール勝ちを収めた。

 甲斐は2年連続準優勝に終わった。優勝が決まった堀内の目から涙がこぼれ落ちた。


 堀内優の話「うれしい気持ちと、勝たないといけないと思っていたのでホッとしています。次の目標は(2009年4月の)全日本女子選手権で優勝し、世界選手権で初出場初優勝を果たしたいです。4月からは日本大学に進学が決まっているので、新しい環境で技を磨いてもっと強くなりたいです。

 今日の試合を振り返ってよかったところは、ポイントを奪われても慌てなかったことです。反省点はフォールできる場面でフォールできなかったことです。もう少し練習しないといけないですね。

 今は51s級で頑張ろうと思っていますが、オリンピックが近づいたら、48s級か55s級のどちらの階級で闘っても通用するように、たくさん練習して強くなりたいです」

(取材・文=三次敏之、撮影=矢吹建夫)


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