2008年天皇杯全日本選手権展望【2008年12月16日】



 2008年の日本一を決める天皇杯全日本選手権は12月21〜23日、東京・代々木第2体育館で行われる。各階級の見どころをさぐった。


 ※大会要項 ⇒ クリック(pdfファイル) / 出場予定選手 ⇒ クリック

 【大会日程】

12月21日(日)=男子フリースタイル74・84s級、男子グレコローマン84・96・120s級、女子51・59・67kg級

12月22日(月)=男子フリースタイル66・96・120kg級、男子グレコローマン55・60・74s級、女子63・72kg級

12月23日(祝)=男子フリースタイル55・60s級、男子グレコローマン66s級、女子48・55s級

 各日とも9時開場で、試合開始は午前10時。準決勝は21・22日が午後2時30分、23日が2時50分。決勝は各日とも午後3時30分(進行具合で変更される場合もあります)。入場無料。


 ◎男子フリースタイル

 【55kg級】
 北京オリンピック銀メダリストの松永共広は欠場。松永と同五輪代表を最後まで争った田岡秀規(自衛隊)、6月の全日本選抜選手権でその田岡を破って優勝した湯元進一(自衛隊)、8月の全日本学生選手権と11月の全日本大学選手権の学生二冠を制した守田泰弘(日体大)、7月の世界学生選手権優勝で9月の国体チャンピオンの稲葉泰弘(警視庁)らが初優勝を狙う。

 60kg級から戻ってきて11月の全国社会人オープン選手権で優勝した清水聖志人(クリナップ)、7月全日本社会人選手権優勝の冨田和秀(自衛隊)、同2位の富岡直希(NEWS-DER)らも優勝争いに割って入ってくる力はあるはず。

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 【60kg級】
 北京オリンピック銅メダリストの湯元健一(日体大助手)が実力を発揮できるか。湯元と最後まで五輪代表を争った高塚紀行(日大コーチ)の湯元へのリベンジなるか。

 2人に迫っているのが、6月の全日本選抜選手権で湯元を破っている小田裕之(国士大)、8月の全日本学生選手権優勝の洞口幸太(日体大)、11月の全日本大学選手権優勝の前田翔吾(日体大)、2007年にアジア2位になっている大館信也(自衛隊)、11月の全国社会人オープン選手権優勝の菊池憲(警視庁大井警察署)ら。

 55kg級から階級を上げ7月の全日本社会人選手権で優勝した齋藤将士(警視庁=2007年アジア王者)がこの階級ででも通用するか。

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 【66kg級】
 北京オリンピック代表の池松和彦(福岡大助手)が出場。6月の全日本選抜選手権優勝の小島豪臣(K-POWERS)、同2位で世界学生チャンピオン、学生二冠王者の米満達弘(拓大)らの挑戦を受ける。

 7月の全日本社会人選手権優勝の坂本将典(自衛隊)、9月の国体3位の藤本浩平(警視庁)が優勝争いに割って入れるか。2005年全日本チャンピオンの佐藤吏(ALSOK綜合警備保障)も巻き返さねばなるまい。

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 【74kg級】
 北京五輪の代表を争った長島和幸(クリナップ)と高谷惣亮(拓大)が昨年に続いて優勝を争うか。昨年は長島が辛勝した。昨年の世界選手権代表で6月の全日本選抜選手権で高谷を破って優勝した萱森浩輝(新潟・県央工高教)も優勝を狙う力は十分。

 7月の全日本社会人選手権で優勝し、11月の「プレジデントカップ」(モンゴル)で3位に入賞した小原康司(自衛隊)、9月の国体2位の高橋龍太(自衛隊)、昨年の66kg級の世界選手権代表で74kg級に上げた鈴木崇之(警視庁)らが、優勝争いに食い込むことができるか。

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 【84kg級】
 アテネ五輪74kg級代表で、84kg級にアップして6月の全日本選抜選手権で優勝した小幡邦彦(ALSOK綜合警備保障)、同2位で2006年世界選手権10位の松本真也(警視庁)の争いか。8月の全日本学生選手権と11月の全日本大学選手権を制した松本篤史(日体大)、けがから復帰して11月の全日本大学選手権96kg級を制した門間順輝(日体大)が2人の間に割って入れるか。

 2005年世界選手権代表の山本悟(岡山・新見高教)、2006年アジア3位で、11月の全国社会人オープン選手権優勝の加藤陽輔(秋田県協会)、9月の国体2位の柴田寛(山口県体協)、7月の全日本社会人選手権優勝の伊藤拓也(マルハン)らがどこまで食い込むか。

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 【96kg級】
 この大会を5連覇(通算6度の優勝)した小平清貴は引退。空いた座に入る有力候補は6月の全日本選抜選手権と9月の国体で優勝した磯川孝生(拓大)。

 他に、8月の全日本学生選手権で優勝した下屋敷圭貴(日体大)、7月の全日本社会人選手権優勝の坂本憲蔵(自衛隊)らが挑むが、グレコローマン84kg級の第一人者だった松本慎吾(一宮運輸)がこの階級にエントリーしてきた。1998年にはフリースタイルでも学生二冠を制している選手。10年ぶりのフリースタイルでの活躍が注目される。

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 【120kg級】
 6月の全日本選抜選手権を制し、7月の世界ジュニア選手権で3位入賞を果たした荒木田進謙(専大)が他を大きく引き離している状態。全日本選抜選手権2位の桜井紀宏(本間組)、11月の全日本大学選手権2位の相澤優人(日大)らがどこまで食いつけるか。


 ◎男子グレコローマン

 【55kg級】
 ここ数年トップを占めていた豊田雅俊、平井進悟とも引退。昨年の大会で初の栄冠を勝ち取り、6月の全日本選抜選手権、10月の国体ででも優勝した長谷川恒平(福一漁業)が確固たる地位を目指す。挑む一番手は国体2位の峯村亮(神奈川大職)。

 他に、7月の全日本社会人選手権優勝の平尾清晴(新潟県体育協会)、8月の全日本学生選手権と10月の全日本大学グレコローマン選手権を制した尾形翼(日体大)ら新しい芽が出てくるか。

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 【60kg級】
 この階級の第一人者の笹本睦は66kg級にエントリー。昨年2位の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)、3月のアジア選手権3位で6月の全日本選抜選手権優勝の北岡秀王(クリナップ)の争いになるか。

 6月の全日本選抜選手権2位の谷岡泰幸(自衛隊)、7月の全日本社会人選手権優勝の堀弘輔(自衛隊)、8月の全日本学生選手権優勝の佐藤亮太(日体大)らが2人の争いに割って入れるか。

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 【66kg級】
 2007年60kg級世界2位で五輪3度連続代表の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が11月の全国社会人オープン選手権優勝という実績で参戦。過去、2001年に、63kg級で国体優勝の成績はあるが、全日本選手権ではどうか。

 受けて立つ形となったのは、昨年2位の藤村義(自衛隊)、6月の全日本選抜選手権優勝の清水博之(自衛隊)、同2位で10月の全日本大学グレコローマン選手権を制した岡本佑士(拓大)、8月の全日本学生選手権優勝の谷口和己(日体大)、10月の国体優勝の江藤紀友(自衛隊)。66kg級選手の意地を見せられるか。

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 【74kg級】
 昨年優勝の岩崎裕樹は不出場。同2位で昨年の世界選手権代表の鶴巻宰(自衛隊)が4年ぶりの優勝を目指す。

 7月の全日本社会人選手権優勝の角功介(自衛隊)、世界学生選手権5位の田中悠一(岡山・西中教)、8月の全日本学生選手権優勝の金久保武大(日体大)、10月の全日本大学グレコローマン選手権優勝の倉谷修平(日体大)らがそのが城に迫れるか。

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 【84kg級】
 第一人者の松本慎吾は不出場(フリースタイル96kg級にエントリー)。10月の国体で96kg級を制した斎川哲克(両毛ヤクルト販売)が初優勝を目指す。7月の全日本社会人選手権優勝の太田充洋(大分・津久見高教)、8月の全日本学生選手権と10月の全日本大学グレコローマン選手権優勝の尾曲伸乃祐(青山学院大)らが阻めるか。

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 【96kg級】
 北京五輪代表の加藤賢三は引退。6月の全日本選抜選手権のほか、8月の全日本学生選手権、10月の全日本大学グレコローマン選手権を制した山本雄資(山梨学院大)が初優勝を狙う。10月の国体120kg級で優勝した北村克哉(FEG)と一騎打ちとなるか。

 全日本選抜選手権2位の北園昭一(徳山大)には西日本の大学の意地がかかる。
 
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 【120kg級】
 昨年優勝の新庄寛和(自衛隊)、同2位の中村淳志(カンサイ)が今年も優勝を争いそう。7月の世界ジュニア選手権3位の平川臣一(専大)、2006年全日本チャンピオンの沢田直樹(山口県協会)が2人の闘いに割って入れるか。


 ◎女子

 【48kg級】
 北京五輪銀メダリストの伊調千春は不出場。伊調のライバルだった坂本真喜子(自衛隊)が4年ぶりの優勝を目指す。7月の世界学生選手権優勝の内田奈美(東洋大)、7月の世界ジュニア選手権優勝の三村冬子(日大)がどこまで迫れるか。

 4月の全日本女子選手権カデット43kg級優勝の阿部千波(愛知・至学館高)、同46kg級優勝の長沼美香(岐阜・岐阜工高)、4月のJOC杯ジュニア44kg級優勝の藤川千晶(埼玉・埼玉栄)ら若い選手の台頭があるか。

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 【51kg級】
 引退した世界V6の坂本日登美の後継者はだれか。昨年2位の甲斐友梨(アイシン・エイ・ダブリュ)、4月の全日本女子選手権で甲斐を破って優勝し、7月の世界ジュニア選手権も制した堀内優(京都・網野高)の争いになるか。

 8月の全日本学生選手権優勝の前原愛(関大)、同2位の大山礼佳(中京女大)、10月の全日本女子オープン選手権優勝の関根ゆう(自衛隊)らが優勝争いに加わることができるか。

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 【55kg級】
 アテネ・北京両五輪金メダリストの吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)が7連覇を目指す。女子の7連覇は、浜口京子の12連覇に続き、坂本涼子、浦野弥生とともに2位タイとなる。

 ここ数年、吉田に挑み続けてきた松川知華子(ジャパンビバレッジ)が今度はどんな闘いを見せるか。4月の全日本女子選手権3位の渡辺悠香(日体大)、柴田瑞穂(中京女大)は? 

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 【59kg級】
 10月の世界女子選手権で4度目の世界一に輝いた正田絢子(網野ク)に挑むのは、昨年のチャンピオンで今年3月のアジア選手権2位の梶田瑞華(中京女大)、昨年3位の島田佳代子(自衛隊)、4月の全日本女子選手権2位の山名慧(中京女大)、7月の全日本社会人選手権優勝の齊藤貴子(自衛隊)など。

 全日本女子選手権3位で、2007年アジア・カデット選手権優勝の佐藤文香(愛知・至学館高)、7月の世界ジュニア選手権出場の渡利璃穏(愛知・至学館高)らの若い力の一気の殊勲はあるか。

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 【63kg級】
 北京五輪金メダリストの伊調馨は不出場。10月の世界女子選手権で世界チャンピオンに輝いた西牧未央(中京女大)が実力を発揮するか。4月の全日本女子選手権2位の工藤佳代子(自衛隊)がどう挑むか。

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 【67kg級】
 昨年の世界選手権5位の井上佳子(中京女大)が、59kg級からこの階級に戻ってきた。頭ひとつリードしている状況だろう。8月の全日本学生選手権2位の梶本千晶(関大)らがそのが城に迫れるか。

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 【72kg級】
 北京五輪銅メダルの浜口京子は不出場。昨年3位で4月の全日本女子選手権優勝の鈴木博恵(立命館大)に、3月のアジア選手権67kg級で優勝した新海真美(アイシン・エイ・ダブリュ)が挑む。2006年2位の佐野明日香(自衛隊)も優勝を狙う力はある。


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