拓大の新監督にOBで元総合格闘家の須藤元気氏が就任【2008年11月14日】



 拓大は11月13日、渡辺利夫学長の出席のもと記者会見し、レスリング部の新監督にOBであり元格闘家の須藤元気氏(30)の就任を発表した。今月15〜16日に新潟市で行われる全日本大学選手権が初さい配となる(右写真=左から渡辺学長、須藤新監督、西口茂樹部長)

 拓大は8月に松本公太郎監督が59歳の若さで急逝。その後、監督不在で全日本学生選手権や全日本学生王座決定戦を闘った。後任に、OBの宮沢正幸氏(日本協会顧問=現日本協会機関誌編集長)の進言で多彩な才能を持つ須藤氏が浮上。打診したところ快諾を経て実現した。

 渡辺学長は「これほど多彩な能力を持ったスポーツ選手を知らない。プロの経験をアマに生かし、学生を感化させて新しい道を開いてほしい。教育とは教えるではなう、引き出すだ。学生の潜在能力を存分に引き出してほしい」とあいさつ。西口茂樹部長は「志(こころざし)が高く、チャレンジ精神を持っている。ロンドン五輪へ向けて最高の形がつくれた思う」と話した。

 須藤・新監督は「ロンドン五輪に出てメダルを取れる選手が多くいて、私のような若輩者にできるかな、という不安もありました。拓大はボクの人生の出発点であり、青春を謳歌した場所。私の書いたレスリングから総合格闘技へ進んだ選手を描いた小説(「キャッチャー・イン・ザ・オクタゴン」=幻冬舎)の発売日がきょうで、ちょうどいいタイミングを感じました。ポジティブに人生を生きることを選手に進言していきたい。オリンピックで金メダルを取るだけではなく、社会人として通用する人間をつくっていきたい」と抱負を話した。

 自らレスリングをやっていた時とルールが違っているが、「選手と一緒に研究していきたい」そうで、世界のレスリングを学ぶために「海外遠征にも同行してみたい」と意欲を見せた。

 須藤・新監督は東京・関東一高からレスリングを始め、拓殖短大時代の1996年に世界ジュニア選手権に出場。卒業後、プロ格闘家を目指して渡米し、1999年にパンクラスでプロ・デビュー。その後、UFC、K−1,HERO’Sなどに出場し、2006年に現役引退。選手時代から文筆業やタレント、書道家としても活躍し、「格闘技しかない」という人生は歩かなかった。


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