【特集】レスリングに挑んだ最強の総合格闘家を撃破!…洞口幸雄(岐阜・マイスポーツ)【2008年11月11日】



 総合格闘技イベント「PRIDE」で“ライト級最強”の称号を獲得。現在は「戦極」のライト級王座を狙う木口道場出身の五味隆典選手(久我山ラスカルジム)が、東日本少年少女選手権の一般の部80kg級に果敢にチャレンジ。1回戦は勝ったものの、準決勝で敗れた。

 最強の総合格闘家を破ったのは、今年の全国中学生選手権85kg級で2位に入賞した洞口幸雄(岐阜・マイスポーツ)。15歳とは思えない筋肉隆々の体格で、五味に3点となるタックルを2度決めて6−0。2分1ピリオドの特別ルールなので、この段階でテクニカルフォールによる勝利を決めた(右写真)

 相手が有名なプロ選手だけに、「負けると思っていました。自分なりに頑張ろうと思って闘いました」と、負けてもともとの攻撃精神だったという。洞口は決勝までの4試合を失点0で優勝。もちろんすべて年上の選手。その体力と技術は、中学生ばなれしていると言っていいだろう。

 今年の全国中学生選手権決勝は「焦ってしまって負けた」という。その悔しさをばねに練習を積んで来た。岐南工高へ進学してレスリングを続けることが決まっており、「卒業を前にいい結果を出せた。このまま頑張って、来年は1年生のインターハイ王者を狙いたい」と話した。

 父であり、マイスポーツの洞口善幸代表は「よくやった」と大喜び。日体大でレスリングをやっている兄の幸太は、8月の全日本学生選手権で大方の予想を裏切って優勝する殊勲を挙げていた。続けざまの息子の快挙が誇らしそう。

 五味選手は昨年の全日本コンバットレスリング選手権にも出場するなど、総合に生かすためにアマチュアの大会にも積極的に出場している。畑違いの分野とはいえ、プロのメンツもあるから普通はなかなかできないこと。これも五味選手の向上心のなせる業だろう。

 五味選手の恩師の木口宣昭代表は「レスリングが五味選手の格闘技の原点。初心を忘れないことを大切にしている」と説明する。来年1月4日の「戦極」(さいたまスーパーアリーナ)では、ライト級王座決定戦に出場することが決まっている。挑戦を忘れない男の闘いが期待される(左写真=木口代表と洞口)


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