【特集】会長不在でも500人規模の大会を無事運営…押立杯から(1)【2008年10月28日】



 主催の吹田アマチュアレスリング連盟の押立吉男会長の病気入院により、初めて“主”不在で行われた押立杯関西少年少女選手権。51チーム551選手参加の大会を運営するにはかなりの労力が必要だが、だてに21回を数えてはいない。

 吹田市民教室の伊藤順次競技委員長の号令のもと、70人を超える同教室の保護者がいつもの通りの仕事をてきぱきとこなし、無事大会を終えることができた。昨年よりやや参加選手数が少なかったこともあるが、1時間近くも早く全試合を終えることができ、大会運営は極めてスムーズだった(右写真=大会を無事終え、吹田の選手を指導する伊藤委員長)

 「毎年やってきた大会。押立会長が積み上げきたノウハウがある。会長がいなくて大変な面もあったけど、やることはきちんとできたと思います」と伊藤委員長。数年前に、6月の吹田市民大会が吹田市以外のチームにも門戸を開き、吹田連盟が主催する大きな大会は年2回となった。選手の保護者は何度か大会を経験しており、それぞれの役割分担を熟知しているので運営は手馴れたもの。

 保護者は年ごとに入れ替わっていくわけだが、きちんと引き継がれているようで、質量ともに日本一を続けてきたチームにふさわしい団結力。伊藤委員長は「押立会長の財産ですね。満足かどうかは参加した選手やコーチの判断になりますが、私たちは精いっぱいやりました」と言う。

 一方、会長代行という形で指揮をとり、開閉会式であいさつをした吹田連盟の宮本輝夫副会長(左写真)は「疲れました」と第一声。「押立会長の力を感じました。これだけの大所帯をきちんとまとめてきたカリスマ性を痛感します。一朝一夕でできることではありませんね」と話し、四半世紀を超える吹田市民教室の歴史の重みと押立会長の力をあらためて感じた様子。

 「きちんと大会をこなすことができ、会長も喜んでくれると思います」。押立会長に送られた後継者たちのパワーが、病気と闘う最大のエネルギーになりそうだ。

 ただ、宮本副会長は6階級優勝という内容には不満いっぱい。閉会式のあと全選手を集め、「前へ出ていない。気持ちが下がっている」と厳しく指導。選手たちの巻き返しを期待していた。


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