【特集】徳山大学が拓大、専大抑えて3位に!【2008年10月25日】



 東京・駒沢体育館に西日本の風が吹いた−。3年後の2011年に国体を控える山口県の徳山大が、全日本大学グレコローマン選手権で団体3位に入賞。西日本勢としては初の快挙を成し遂げた。徳山大率いる守田武史監督は、8月の全日本学生選手権で「国体までは十分に強化が図れる。そのうちに団体戦で東日本を脅かすチームを作って、団体3位に入りたい」と話しており、その言葉からたった2ヶ月でその夢を実現した形となった。

 この大会の主催は東日本学生連盟。最終日が西日本学生連盟主催の西日本学生選手権(西日本インカレ)の初日とバッティングしてしまった。守田監督も初日はマットサイドで選手たちにゲキを飛ばしていたが、西日本インカレのために第一陣とともに一足先に大坂へ向かい、最終日は出場選手と沢田直樹コーチのみで戦った。

 「昨日まで出場していた選手は、昨日のうちに大阪へ向かいました。今日、計量なので」。学生ならではの試練だが、一週間に2度の試合に出場するという強行日程で挑んでいたのだ。

 その中で一番活躍したのは60s級の木村将志だ。ノーシードから勝ちあがり、決勝戦でも倉本一真(山梨学院大)と大接戦。今大会のMVP男にテクニカルポイントを1点も許さないディフェンスが光った。そのほか74s級・藤永真孝と120s級の西木亨が3位に入賞。優勝こそなかったが、拓大や専大などを抑え、山梨学院大、日体大に次ぐ3位の座に滑り込んだ(右写真:沢田コーチ=左端=と選手たち)

 「ほんとうに学生がよくやってくれた」と沢田コーチも3位の座に満足した表情。拓大時代の恩師である西口茂樹コーチに「おめでとう」と声をかけてもらうと、母校・拓大を倒してしまったからか、少しバツが悪そうに笑顔を見せた。

 守田監督の目標であった“団体3位以内”は実現された。次は12月の天皇杯全日本選手権で、徳山大のシングレットが表彰台のてっぺんに上がること−。

(文=増渕由気子、撮影=樋口郁夫)


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