【特集】富山英明強化委員長(日大教)がFILA殿堂入りの表彰を受ける【2008年8月23日】



 北京五輪レスリング競技全日程が終了した8月21日、北京市内国際レスリング連盟(FILA)の2008年殿堂入り表彰式が行われた。今年は日本協会から1984年ロサンゼルス五輪フリースタイル57s級ほか2度の世界選手権で優勝した富山英明・日本協会強化委員長(日大教)が受賞。表彰式は五輪のバンケットも同時開催されたことから、多くの人から祝福を受けた。

 日本人の殿堂入りは高田裕司、小幡(旧姓上武)洋次郎、笹原正三、金子正明、浦野弥生の各氏に続いて日本から6人目。富山氏は1978・79年の世界選手権を連覇するなど、五輪と世界選手権で金3個を含む6個のメダルを獲得。シドニー五輪後の2001年から日本協会の強化委員長を務め、2004年アテネ五輪で「銅2」、今回「銀1、銅2」、ほかに世界選手権では「銀1、銅2」をもたらした。

 「胸がいっぱいです」。たくさんのフラッシュの中でFILAのラファエル・マルティニティー会長と記念撮影に応じた富山氏
(右写真)は、目を潤ませながらコメント。受賞が五輪最終日と重なったことで大会の感想にも言及し、「いいオリンピックでした。選手が頑張ってくれて(強化委員長の最後に)花を添えてくれました。8年間、選手とコーチに恵まれました」と話した。

 男子の14階級中6階級しか出場枠を取れず厳しい状況で臨んだ北京五輪で、アテネ五輪以上の銀メダル1個、銅メダル1個を獲得した日本チームの頑張りに感謝の気持ちを表していた。

 この日は妻の幸子さんも出席。「(日本として戦後の五輪で連続メダル獲得の記録があるので)メダルを取れなかったどうしようと思っていた。本当によかった。(8年間)お疲れさまです」と夫の労をねぎらった。

(文・撮影=増渕由気子)


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