【特集】頂上を目指し、記者・カメラマンも登った…男子の全日本合宿で選手・マスコミ合同登山【2008年7月16日】






 長野・菅平で合宿中の北京五輪代表選手を含む男子両スタイルの全日本チームが、合宿中日の7月17日、近くの根子岳(標高2207メートル)登山を敢行(右写真:頂上で気勢をあげる五輪代表選手=笹本選手はひざを痛め大事をとり不参加)。公開取材で前日に菅平入りしていたマスコミにも登山を“強要”し、選手とともに汗を流させるというユニークな練習公開を行った。

 八田一朗会長の時代から「マスコミを味方に引き入れろ」という伝統があった。八田会長は耳が痛い記事があっても一切文句をつけず、レスリングに関する記事はすべて歓迎した。新聞記者には「批判記事でもいいから、毎日でもレスリングを書いてくれ」と注文し、周囲には「悪口も宣伝と理解する度量をもたないと、大きな発展は望めない」と説いた。

 いわば「マスコミも、オリンピックでの勝利を目指してともに闘う戦友」。ならば、選手と同じように汗を流してもらおうと実現。この日のために日本協会の福田富昭会長も菅平入りし、「約30年ぶり」という根子岳登山に挑戦した。

 マスコミ陣は朝5時半、宿舎の菅平プリンスホテルが用意してくれたバスで100メートルほど標高差を稼ぎ、標高1400メートルの地点からスタート。軽量級のトップ選手(標高1300メートルの地点から朝6時半にスタート)が約1時間で、重量級選手(朝6時スタート)でも約1時間半で走り登る険しい山道を、約1時間半〜2時間をかけて全員が登頂に成功。

 途中、空気が薄くなったせいか頭痛を訴える者や、吐き出した記者もいたが、小休止ののちに回復。TVクルーは思いカメラをかついでの登山となり、かなり遅れてしまったが、8時すぎには全員が2207メートルの地点に立ち、360度のパノラマ風景を満喫した。なお、読売新聞の記者1人はバスに乗らず、1300メートルの地点からの“完全登頂”に成功した。

 「もう2度と登りたくありません」と口にする記者・カメラマンもいたが、コーチ陣は「チームとマスコミの一体感ができましたね」とニコニコ顔。早くも「来年は富士山登山!」という声も上がった。


前夜はマスコミと選手・コーチとのバーベキュー大会。福田会長の乾杯(左)。エジプト・チームも日本式鉄板焼きに挑戦(右)。途中、豪雨に見舞われ足場が悪くなったが(屋根付きだが、水が流れ込む)、自衛隊選手の水路つくりで危機脱出。

朝5時半。菅平プリンスホテルのバスでスタート。1400メートル地点へ。 先頭は福田会長。ちょっと飛ばしすぎのような気が…。 スタート直後は笑顔も見えたマスコミ陣。やがて会話が途切れ出す。

途中から景色のいいところが続く。苦しさの中の清涼剤! 苦しさのあまり座り込む記者。先頭と最後尾でかなりの差がついた。 先頭だった福田会長(右から2人目)は、後半はかなり後ろのグループへ。

選手のトップは守田泰弘(日体大)。Vを出してくれたが、急勾配で笑顔なし。 頂上に先着し、後続と選手を待つマスコミ陣。 福田会長が日の丸を持って到着。約2時間の登山だった。

登頂成功の記念に鐘を鳴らす松本慎吾(右)と松永共広。 重量級選手の完走を待ち、全選手参加で記念撮影。 ゴールまで約500メートルの地点。マスコミ陣もやっと生き返った。

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