金メダリスト2人から刺激! 五輪代表とプロ選手らが合同練習【2008年7月5日】






 北京五輪で金メダルを目指す男子の日本代表選手を含む全日本チームが7月4日、東京・ナショナルトレーニングセンター(NTC)でプロ格闘家と合同練習を行った。プロ選手は現在「戦極」で活躍している柔道の1992年バルセロナ五輪金メダリストの吉田秀彦選手(吉田道場)や2000年シドニー五輪金メダリストの瀧本誠選手(同)、そしてPRIDEライト級チャンピオンの五味隆典選手(久我山ラスカルジム)ら5人(右写真=練習後に記念撮影)

 レスリングOBのプロ選手が出身大学などのレスリング部の練習に参加することはよくあるが、トップ選手が全日本チームの練習に参加したのは初めて。話題性は十分で、80人を超える報道陣が集まった。

 五輪代表選手と吉田らは練習の初めのウォーミングアップから約1時間半、同じメニューで汗を流した。レスリングは他団体にも門戸を開いており、2年前には柔道の全日本チームと合同練習を行っている。そのときはレスリング代表選手が柔道着をまとって柔道の練習をこなすメニューもあったが、この日は終始レスリング・スタイルでの練習になった。

 レスリング・スタイルでの練習となると元、さすがに五輪金メダリストの吉田や瀧本も苦戦する姿が見受けられた。吉田は練習後に「レスリングのすごさが身にしみて分かりました」と話したが
(左写真=俵返しに挑んだ吉田秀彦選手)、手合わせをした五輪代表選手にとっては、プロ選手というより五輪金メダリストと練習したことで、北京五輪へ向けていい弾みになったようだ。グレコローマン84s級代表の松本慎吾(一宮運輸)は「(強くなりたいという)目指しているところは一緒だった」と話した。

 昨年、グレコローマン60s級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が世界選手権で銀メダルを獲得したが、日本の男子は1988年ソウル五輪以来、世界チャンピオン・五輪チャンピオンは生まれていない。富山英明強化委員長(日大教)は「金メダリストとスパーリングしたことで刺激になった」と、“柔道金メダリスト効果”を期待していた。

 また、8月24日に行われる「戦極」でメーンを務める五味は、フリースタイル選手とガチンコスパーリングを展開。普段から国士舘大レスリング部の練習に通いつめるなどレスリングになじみのある選手だが、日本代表選手クラスとの手合わせに「いつもと2味くらい違った」と驚きを隠せなかった。

(文・撮影=増渕由気子)


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