笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が優勝、日本がメダル4個…ドイツ・グランプリ第1日【2008年6月22日】







  【ドルトムント(ドイツ)ビル・メイ記者】欧州遠征中の北京オリンピック代表選手5人を含む日本男子チームが6月21日、当地のウエストファーレン・スポーツ・コンプレクスで開幕した「ドイツ・グランプリ」に出場。グレコローマン60kg級の笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が決勝でアテネ五輪2位のローベルト・モンゾン(キューバ)に勝って優勝(右写真=アテネ五輪銀メダリストを破ってガッツポーズの笹本)。ほかの3選手もメダルを獲得した。

 男子フリースタイル66kg級の池松和彦(K-POWERS)は3試合に勝って決勝へ進んだものの、ロシア選手にカウンター・レスリングで敗れて銀メダルを、グレコローマン84kg級の松本慎吾(一宮運輸)は北京五輪の出場権を持つスロバキアの選手や、2005年世界チャンピオンのアリム・セリモフ(ベラルーシ)を破って銅メダルを獲得した。

五輪選手ではないものの、74kg級にアップした鈴木崇之(警視庁)も、アテネ五輪4位のポーランドの選手に負けたものの、3位決定戦でドイツの若手に勝ち銅メダルを獲得した。

この大会の表彰式では、メダルではなく、炭鉱で有名なドルトムントらしく炭鉱で使えるランタンのレプリカだった。

(撮影=保高幸子)


 ◎男子フリースタイル

 
【66kg級】池松和彦(K−POERS)     2位=11選手出場

1回戦 ○[2−0(6-0=1:52,4-0)]Rudiger Kabus(ドイツ)

 《試合経過》池松は第1ピリオド外無双、トルコ刈りなどで攻めてフォールのチャンスにまで追い込む。若いドイツ選手に対して、第2ピリオドも危なげないレスリングで快勝。

2回戦 ○[2−1(1-3,6-0=1:53,2-0)]Martin Buhz(ドイツ)

 《試合経過》両脚タックルを返されて第1ピリオドを取られた池松は、第2・3ピリオドで外無双2回など動きの良いレスリングを見せて、ドイツの無名ベテラン選手を破った

準決勝 ○[2−1(1-0=2:19,1-4,1-0=2:04)]Buyanjav Bazorig(モンゴル)

 《試合経過》第1、3ピリオドにクリンチでの攻撃権をもらった池松が、アジアのライバル選手を破った。第2ピリオドは3回場外に押し出されて取られた。

決 勝 ●[1−2(1-3,1-0,0-4)]Paata Nozadze(ロシア)

 《試合経過》池松の両脚タックルは相手に読まれ、待っているようだった。2回仕掛けて取ったものの、カウンターでゴービハインドを2度取られ、優勝を逃した。

1回戦第1P 2回戦第2P 決勝第1P 表彰式

 【74kg級】鈴木崇之(警視庁)     3位=9選手出場

1回戦  BYE

2回戦 ○[2−0(AL-2,2-0)]Ma Jijun(中国)

 《試合経過》鈴木は第1ピリオド、片脚タックルから場外に出して先制したが、相手の足首取りタックルと両脚カウンターで逆転された。しかしラスト30秒、鈴木が反撃し、両脚タックルから場外に出して2−2のラストポイントで先取。第2ピリオドは鈴木がローシングルで1点を取り、最後に相手の片脚タックルをつぶして2−0。

準決勝 ●[0−2(3-4,1-3)]Krystian Brzozowski(ポーランド)

 《試合経過》第1ピリオド、鈴木は3点リードされたが、ローシングルとガツレンチで同点。ビッグポイントの差で有利だったが、ラスト10秒、相手の攻撃を守れなくて先取された。第2ピリオド、鈴木が押し出してポイントで先制したが、バックに回られ、くぐりタックル、返し技の3点を取られた。

三決戦 ○[2−0(2-1,4-0)]Steven Gottschling(ドイツ)

 《試合経過》 昨年の欧州ジュニア3位の相手に対して、鈴木が両脚タックルの“教室を開いた”。動いてから入ったり、前に崩してから入ったりして快勝し、気持ちのいい3位になった。

2回戦第1P 3位決定戦第1P 表彰式

 ◎男子グレコローマン

 
【60kg級】笹本睦(ALSOK綜合警備保障)     優勝=7選手出場

1回戦  BYE

準決勝 ○[2−1(3-0,1-2,5-0)]Edgar Barsegjan(ポーランド)

 《試合経過》笹本が強いガッツレンチを3度見せて、固いグラウンドの防御もあって一方的な勝利。

決 勝 ○[2−1(1-@L,@L-1,3-0)]Roberto Monzon(キューバ)

 《試合経過》グラウンドの守りのポイントを“交換”してピリオドスコア1−1。第3ピリオド、笹本がやっとガツレンチを成功して2−0リード。最後にしっかり守って、北京五輪前の価値ある優勝を飾った。

準決勝第3P 決勝第3P 表彰式

 【84kg級】松本慎吾(一宮運輸)     3位=15選手出場

1回戦 ○[2−1(4-1,0-3,2-0)]Alo Toom(エストニア)

 《試合経過》グラウンドの攻防戦になり、松本は俵返しなどで第1ピリオドを獲得。第2ピリオドは松本のフライングで2点を相手にやってしまい取られた。第3ピリオドはボールピックアップで松本の攻撃。これはエスケープされたものの、押し出して1−0。下からしっかり守って2−0で初戦突破。

2回戦 ○[2−1(@L-1,1-@L,3-2)]Attila Batky(スロバキア)

 《試合経過》グラウンドの守りのポイントを“交換”して、ピリオドスコア1−1。第3ピリオド、松本はボールピックアップに負けたが、最初の30秒守って1−0。攻撃のチャンスに低い俵返しで投げた。相手が松本の足をつかむ反則で一時に上になってもつれた、結局、松本が3−2で勝ち準決勝進出。

準決勝 ●[0−2(0-4,0-4)]Andrey Baranovski(ベラルーシ)

 《試合経過》松本は相手のリフトに2回持ち上げられ、グラウンドの攻撃では相手の固い防御を崩せずに黒星。

三決戦 ○[2−0(2-1,@L-1)]Alim Selimov(ベラルーシ)

 《試合経過》2005年の世界チャンピオンに対して、松本が細かくていいレスリングを見せた。第1ピリオドは0−1とリードをされたものの、上からの攻撃で相手が逃げようとした時、松本がリバース・グリップを離して、前に押し倒して逆転。第2ピリオド、またリードをされたものの、下からエスケープ、ラスト15秒、相手のアタックをそらして殊勲の白星。北京五輪前に3年前の世界王者撃破という大きな勝利を上げた。

2回戦3P 3位決定戦第1P 表彰式

 《決勝成績》

 ◎フリースタイル


【60kg級】Qin He(中国)○[2−0(1-0=2:06,3-0)]●Adam Blok(ポーランド)

【66kg級】Paata Nozadze(ロシア)○[2−1(3-1,0-1,4-0)]●池松和彦(日本)

【74kg級】Krystian Brzozowski(ポーランド)○[2−1(1-0,1-2,2-1)]●Andriy Shyyka(ドイツ)

【84kg級】 Davyd Bichinashvili(ドイツ)○[2−0(1-0,2-0)]●Wang Ying(中国)

 ◎グレコローマン

【60kg級】笹本睦(日本)○[2−1(1-@L,@L-1,3-0)]●Roberto Monzon(キューバ)

【66kg級】Steeve Guenot(フランス)○[2−0(@L-1,@L-1)]●Mikhail Siamionov(ベラルーシ)

【74kg級】Konstantine Schneider(ドイツ)○[2−1(1-@L,3-0,@L-1)]●Adam Juretzko(ドイツ)

【84kg級】Melonin Noumonvi(フランス)○[フォール、2P=0:59 (1-@L,F5-0)]●Andrey Baranovski(ベラルーシ)



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