【特集】3年生の意地で初優勝…男子47kg級・有元伸悟【2008年6月16日】







 「1年生に負けたらカッコ悪いで」。全国少年少女選手権V8という肩書きを引っさげて中学レスリング界に乗り込んできたルーキー、水野真斗(京都・網野)を決勝戦の相手として迎えた男子47kg級の有元伸悟(大阪・三国)は、周囲の声に気を引き締めていた(右写真は決勝=青が有元)

 3年生として最後の全国中学生選手権。しかも名門・吹田市民教室の看板を背負っての決勝戦。「3年の意地があった」という有元は、序盤から攻めた。スーパールーキーという水野もやはり1年生。2つ年上の有元はパワーの差を見せ付けて、第1ピリオドの後半、がぶられながらも水野を押し出して1点を先取。

 第2ピリオドはクリンチに持ち込まれて落としたが、第3ピリオドも果敢に攻め、投げの打ち合いなどパワーで水野を圧倒。2−1で振り切り切った。

 「強いと言われていたが、本当に決勝戦にあがってくるとは思っていなかった」と有元は、反対ブロックから実力で勝ちあがってきた水野の強さを認めていた。それでも、1年生負けたくないという意地で水野をねじ伏せた。勝因は「動けたから。技とかではない」と気持ちの面が大きかったことを吐露した。

 今年は吹田市民教室の押立吉男代表が体調を崩し、水戸に来ることができなかった。この優勝は、押立代表へ大きなエネルギーを与えることになるだろう。

 来年は網野高校に進学する予定で、水野とは事実上の同門選手になる。しかし、同門になっても“先輩の意地”で白星街道を突っ走る!

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)



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