【特集】次の目標はアジア・カデット王者…男子38kg級・阿部宏隆【2008年6月16日】







 貫禄の勝利だった。男子38s級決勝戦。昨年3位の屈辱を晴らすべく、阿部宏隆(茨城・水戸二)が攻め続け、初優勝を手にした(右写真は決勝=赤が阿部)

 1回戦は13秒でフォール勝ちを収め、その後は準決勝までほとんどのピリオドはテクニカルフォールという快勝で勝ち上がった。快進撃を支えたのが、監督の「最後だから思いっきり行け」という言葉だった。

 迎えた決勝戦の相手は中村倫也(埼玉・春野)で、阿部と同じく圧倒的な強さで勝ち上がってきた伸び盛りの2年生だった。果敢にタックルを仕掛ける中村に対して1年先輩の阿部は冷静だった。相手をがぶって相手の動きをコントロールし、確実にバックを奪う。貴重な1点をものにすると、今度は強固なディフェンスで相手の攻撃をしのいだ。

 優勝に王手をかけた第2ピリオドも、鮮やかにカウンターでバックを奪い、じりじりと点差をひろげて5−0。「差を見せつけたかった」という阿部は無失点で中学最後の大舞台に花を添えた。

 4月のJOC杯カデット選手権でも優勝しており、次の目標は7月のアジア・カデット選手権(ウズベキスタン)となる。中学3年で早くも国際大会に臨む阿部は「いい経験になると思う」と成長を確信している。全中制覇をきっかけにステップアップし、「将来は五輪を目指せる選手になりたい」と大きな目標を掲げた。

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)



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