鶴巻宰、新庄寛和(ともに自衛隊)とも五輪出場権を取れず…男子グレコローマン北京五輪予選第2戦最終日【2008年5月25日】






 【セルビア・ノビサド、ビル・メイ記者】男子グレコローマンの北京オリンピック出場権獲得予選最終ステージ第2戦(最終戦)最終日は5月25日、当地で行われ、74kg級の鶴巻宰(自衛隊)は3回戦で敗れ、120kg級の新庄寛和(自衛隊)は初戦の2回戦で敗れ、2選手ともに敗者復活戦に回れず五輪出場資格を取ることができなかった。

 鶴巻は1、2回戦を勝ったものの、3回戦で2006年世界ジュニア王者のアルセン・ユルファラキャン(アルメニア)に0−2で黒星。ユルファラキャンが準決勝で敗れ、敗者復活戦に回れなかった。新庄は2回戦で第1次予選7位のレバズ・チェリーゼ(グルジア)に敗れ、チェリーゼが準決勝で敗れ、同じく姿を消した。

 この日で男子両スタイルのすべての予選が終了。日本はフリースタイル3階級、グレコローマン3階級の計6階級で北京五輪に臨むことになった。(このあと、ワイルドカード=主催者推薦=で男女3スタイルで7選手が選抜されるが、日本選手に与えられる理由は見当たらない)。これは、五輪に予選が採用された1992年バルセロナ五輪以降、最少の出場階級となった。

 鶴巻、新庄の成績は下記の通り。(撮影=増渕由気子)


 ◎男子グレコローマン

 
【74kg級】鶴巻宰(自衛隊)     27選手出場

1回戦 ○[2−0(2-0,5-0)]Graham Keitani(ミクロネシア)

 《試合経過》オセアニア2位の相手に対して鶴巻は慎重なスタート。スタンド戦で0−0のあと、グラウンドの攻防となり、鶴巻がローリングと守り切ったポイントで先取。第2ピリオドには低い俵返しを決め、グラウンドの防御ではリバースで、守り切ったポイントで勝利。

鶴巻(青)は第1ピリオド、ガッツレンチを決め=左端、第2ピリオドは低い俵返し=右から2枚目=などで勝つ。

2回戦 ○[2−1(0-3,2-0,@L-1)]Mohammad Babulfath(スウェーデン)

 《試合経過》ローマ予選5位の相手に対して、第1ピリオド、0−0のあとグラウンドの勝負。守られて0−1とされ、ローリングを受けてしまって0−3。第2ピリオドもグラウンドの勝負。下からスタートの鶴巻は守り切って1−0。攻撃で冷静に俵返しからリフトし、不完全ながらも1点を獲得して2−0としてピリオドスコア1−1へ。

 第3ピリオドもスタンド戦は0−0。ボールピックアップで鶴巻の攻撃となり、最初の30秒でポイントがなく0−1。最後の30秒、相手の俵返しを必死に守り、相手のヒザが目を直撃して出血しタイムがかけられたが、試合再開後もしっかり守り、相手のグリップをうまく切って試合終了。

鶴巻は第1ピリオド、不完全ながらも俵返し=左端=で選手。第2ピリオドは目周辺から出血しながらも勝つ。

3回戦 ●[0−2(0-3,0-5)]Arsen Julfalakyan(アルメニア)

 《試合経過》グラウンドで勝負が決まった。第1ピリオド、攻撃の鶴巻は守り切られて1ポイントを失い、防御では約20秒まで守ったが、ローリングで返され0−3へ。第2ピリオドに、逆に下からのスタートの鶴巻は25秒まで守ったものの、最後に返された。攻撃では、がぶって一度返したように見えたが、相手が上になって、審判の判断は相手の2点。守り切られたポイントも入って0−5で試合終了。

第1ピリオド、攻撃できなかった鶴巻は、防御で2失点=左2枚。第2ピリオド、がぶり返しで活路を見い出したが=右から2枚目=万事休す。

 【120kg級】新庄寛和(自衛隊)     20選手出場

1回戦  BYE

2回戦 ●[0−2(0-6,0-3)]Revaz Kelidze(グルジア)

 《試合経過》新庄はスタンド、グラウンドとも攻撃ができず、グラウンドでガッツレンチを防げず、ピリオドスコア0−2で敗れた。

新庄(青)は攻撃ができず、グラウンドでガッツレンチを決められて敗れた。


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