【特集】18連覇再現の礎をつくれるか? 3連覇目指す日体大…東日本学生リーグ戦【2008年5月7日】





年 度 別 団 体 戦 優 勝 大 学
年 度 リーグ戦 王座決定戦 大学G選手権 大学選手権
1996年 日体大 日体大 日体大 日 大
1997年 日 大 日 大 日体大 日 大
1998年 日体大 日体大 日体大 日 大
1999年 日体大 山梨学大 日体大 山梨学大
2000年 山梨学大 日体大 拓 大 国士大
2001年 山梨学大 日体大 拓 大 日体大
2002年 拓 大 日体大 拓 大 山梨学大
2003年 日 大 日 大 拓 大 日体大
2004年 日体大 日 大 日体大 日 大
2005年 拓 大 日 大 拓 大 日 大
2006年 日体大 拓 大 拓 大 拓 大
2007年 日体大 日体大 日体大 拓 大

 昨年の日体大は、1994年の日体大以来13年ぶりの学生団体戦四冠が狙える年だった。下馬評どおり5月の東日本学生リーグ戦を勝ったあと、9月の全日本王座決定戦、10月の全日本学生グレコローマン選手権を優勝し、層の厚さを見せ付けた。

 四冠に王手をかけた11月の全日本大学選手権も優勝確実と思われていた。しかし、勝負はやってみなければ分からない。伏兵の拓大に優勝をさらわれ、あと一歩のところで四冠の夢は散った。

■55kg級の石山雄平フリースタイル主将が流れをつくれるか

 「悔しかったですね」。優勝間違いなしと送り出されながら、3回戦敗退を喫してしまった84kg級の門間順輝(4年)は、半年前の全日本大学選手権で7位に終わった悔しさを忘れてはいない。「四冠を取らないと(日体大に来た)意味がない」と語る門間が、今年の主将だ。

 昨年の斎川哲克主将と同じように「キーマンとかいません。みんなが自分の力を出し切れば、勝てると思う。対戦相手も“どこ が重要”とかはありません」と、平常心を意識していた。

 もう一人、日体大を引っ張る最上級生がいる。フリー主将を務める石山雄平(4年=
左写真)だ。昨年よりも一回り大きい体を手に入れ絶好調の様子。「相当な負けず嫌い」(安達巧監督)とのことで、後輩とのスパーリングでも闘志をむき出しにし、1ポイントも譲らない。石山に続いて、アジア・ジュニア王者の守田に、新人戦優勝の猪股がいる。この2人がいるため、連戦になっても石山の疲労がたまることはないだろう。

 60s級は、安達監督が「今年ブレークするよ」と太鼓判を押す前田翔吾(3年)。長身と恵まれた体格を生かして白星を積み重ねられるか。66s級の志土地翔太(3年)は、昨年の大会でも抜てきされながら、なかなか白星を挙げられなかった。しかし全日本大学選手権で2位に入賞。力を伸ばしてきている。重量級にエースがいる日体大なだけに、ここで白星を挙げれば有利な形でつなぐことができる。

■重量級3選手の起用階級に注目!

 74kg級からの重量級は、昨年同様に安定性が抜群だ。昨年ルーキーながらレギュラーとして出場し優勝に貢献した山名隆貴(2年)は、今年から同級のエースとして腰を据える。昨年12月の天皇杯全日本選手権で大学王者の大月葵斐(早大)を破るなど実力を伸ばしているが、4月のJOC杯ジュニアオリンピックで3回戦敗退だったことは誤算。その後の練習では藤本英男部長にマンツーマンの技術指導を受け、修正を行っている。

 84s級の松本篤史 (3年)はJOC杯ジュニアオリンピックを制しMVPに輝く強さを発揮した。門間
(右写真)、そして4年の下屋敷圭貴で重量3階級級は回していくようだ。詳しいオーダーはもちろんトップシークレット。そのさい配は、対戦大学によって安達監督が采配をふるう。

 昨年は予選グループで山梨学院大に黒星を喫し窮地に追い込まれたが、グループ優勝をかけた早大戦で安達監督はトップバッターに2番手の石山を起用。これが見事にあ たって、早大の藤元洋平を完封し流れをつかんだ。学生は起用されたら目の前の敵を倒すことのみに集中している。これだけそろった駒をどのように起用するのか安達監督のさい配に注目したい。

 「3連覇しなくちゃいけない。そして(過去の)18連覇に並んで、超えないと…」と安達監督。日体大の新・黄金時代の礎を、今年のチームが作り上げることができるか。

(文=増渕由気子)



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