66kg級はアジア王者の北朝鮮が五輪出場権獲得…北京五輪予選最終ステージ第2戦最終日【2008年5月5日】






 【ポーランド・ワルシャワ、ビル・メイ記者】男子フリースタイルの北京オリンピック出場権獲得予選最終ステージ第2戦(最終戦)最終日は5月4日、当地で2階級が行われ、 66kg級決勝はヤン・チュンソン(北朝鮮)がアテネ五輪4位のレオニド・スピリドノフ(カザフスタン)を破って優勝。3月のアジア選手権で優勝しながら、昨年の世界選手権に出場していなかったため取れなかった五輪出場権を手にした。北朝鮮は2階級で五輪へ出場。

 ヤンと60kg級でアテネ五輪に出場した鄭栄鎬(ユン・ヨン=韓国)の準決勝は疑惑の試合であり、ハプニングを乗り越えてヤンが勝った
(右写真=赤が北朝鮮)。この試合、鄭栄鎬が第1ピリオドのクリンチからヤンを倒して先制。第2ピリオドも0−0で試合が終わり、ボールピックアップで鄭栄鎬がクリンチ権を獲得したものの、レフェリーがボールを出した瞬間に北朝鮮のコーチ陣がどなり、1人がマットに飛びに乗ってチェアマン席に詰め寄った。レフェリーが袋の中を見て鄭栄鎬の色の青を選んだと訴えている様子。あるいは、袋に青のボール2個があるという訴えか?

 いずれにせよ尋常の怒りではなく、会場警備員3人が出てくるほどで、観客席も騒然。あるジャーナリストは北朝鮮の行動に同情的で、「袋の中に赤のボールは入っていなかったんだろ。FILAはクリンチの方法について別の方法を考えなければならないと思う」と話した。このケースだけではなく、コーチ、選手もボールピックアップにフラストレーションを感じているケースが見受けられ、同じような行動したかったと思われる。
 
 試合は鄭栄鎬の攻撃でスタートしたものの、ヤンがクリンチのグリップを切ってタックルを取り、ピリオド・スコア1−1へ。第3ピリオドはヤンが一方的に攻めて4−0で勝って決勝へ進んだ。

 五輪出場権獲得のプレーオフは鄭栄鎬が勝ち、韓国5階級目の五輪行きキップを獲得。この階級はインド、モンゴル、日本とともにアジアから6ヶ国が出場する。

 84kg級は決勝はタラス・ダンコ(ウクライナ)がアテネ五輪74kg級2位のゲンナディ・ラリエフ(カザフスタン)に勝って五輪出場権を獲得。ウクライナは55kg級を除く6階級で、カザフスタンは74kg級を除く6階級で五輪に出場する。プレーオフは地元のラドスラフ・ホービク(ポーランド)が元欧州王者のアルパド・リッター(ハンガリー)に勝ち、最終ステージの2大会で取った4階級で五輪に挑む。

 各階級の成績は下記の通り。


 ◎男子フリースタイル

 【66kg級】

3位決定戦 Ljulzim Vrenezi(マケドニア) ○[フォール、2P(1-3,4-3)]●Stefan Daniliuc(ルーマニア)
3位決定戦 Jung Young-Ho (韓国)○[2−0(2-0,2-0)]●Gregory Sarrasin(スイス)
決   勝 Yang Chung Song(北朝鮮)○[2−1(2-0,0-1,1-0]●Leonid Spiridonov(カザフスタン)
プレーオフ Jung Young-Ho (韓国)○[2−0(3-2,@-1)]●Ljulzim Vrenezi(マケドニア)

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 【84kg級】

3位決定戦 Radoslaw Horbik(ポーランド)○[2−1(0-2,3-1,2-0)]●Piotr Ianulov(モルドバ)
3位決定戦 Arpad Ritter(ハンガリー)○[2−0(5-1,1-0)]●Arcadie Tzopa(ブルガリア)
決   勝 Taras Danko(ウクライナ)○[2−1(0-1,4-1,1-0]●Gennadiy Laliyev(カザフスタン)
プレーオフ Radoslaw Horbik(ポーランド)○[2−0(2-1,6-0)]●Arpad Ritter(ハンガリー)



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