北京五輪後のルール改正提案を各国から募る…国際レスリング連盟【2008年4月12日】









 国際レスリング連盟(FILA)は今月初めの欧州選手権(フィンランド・タンペレ)の期間中に行われた理事会で、現在実施されているルールを分析し北京オリンピック後のルール改正を提案する委員会の設置を決めた。

 委員長(コーディネーター)はカザフスタンでスポーツ大臣を務めているダウレット・ツルリハノフ(FILAコーチ委員長=1992年ソウル五輪グレコローマン74kg級銀メダリスト、ほか2度五輪に出場)。12人の委員には日本協会の福田富昭会長(FILA副会長)や五輪3連覇のアレクサンダー・カレリン(ロシア)らが含まれている。

 レスリングはかつてルールが頻繁に変わっていたが、現在は、大きな改正は4年に1度とするようになっている。来年はその改正の年であるため、それに先立って各国から提案を募るもの。6月1日までに提案を集め、北京五輪後のいくつかの大会でテストしたうえで、FILA理事会に提出。承認を受けて2009年1月から新ルールを実施するという。

 しかしながら、下記に掲げる基本ルールは変更しないという。

(1)コンペティション・システム=現行の敗者復活戦を取り入れた試合方式

(2)ピリオド制で、各ピリオドごとに勝者が決まり、その獲得ピリオドによって試合の勝者が決まる方式

(3)試合中にレフェリーによって試合が止められることのないルール(以前実施されていたパッシブなど)

(4)フリースタイルとグレコローマンの両スタイルをオリンピック種目に残すため、2つのルールに明確な違いをつけること

 福田富昭会長は「一番のポイントは0−0で規定の時間が終了した時のクリンチになるだろう。ボールのピックアップで勝ち負けが分かれるルールを何とかしなければならない。第1ピリオドのクリンチを赤が取った場合で、第2ピリオドもクリンチになったら無条件に青の攻撃にするとか、その場合に第3ピリオドをどうするかとか、多くの案が出てくると思う」と説明。日本協会でも強化委員会と審判員会を中心に話し合ってもらい、日本協会としての提案を委員会に提出するという。



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