北京五輪予選・男子フリースタイル最終ステージ第1戦展望【2008年4月10日】









 北京五輪の男子フリースタイル最終ステージ第1戦は4月18〜20日、各階級ともまだ出場権を手にしていない選手によってスイス・マルティニーで行われる。上位4枠を目指して行われ、日本は5階級で挑戦する。

 各階級に残っている強豪を紹介する。


 【60kg級】(左写真=日本代表として挑む高塚紀行)

 2006年世界選手権を制した
イラン(セイェド・マハマディ・パフネカライ)、同年2位の米国(マイク・ザディク)、2005年世界2位で昨年のパンアメリカン王者のキューバ(ヤンドロ・クインタナ)が残っている。キューバは2月のパンアメリカン選手権では別の選手が出ているが、最終ステージに向けて温存している可能性がある。

 2006年アジア大会などで優勝している
北朝鮮(リ・ヨンチョル)も3月のアジア選手権では別の選手が出てきた。今度の予選はだれが出てくるか。

 欧州は強豪がほとんど出場権を取った状況。今年の欧州選手権2位の
フランス(ディディエール・パイス)、2年連続欧州3位のハンガリー(ゲルゴエ・ウォエラー)あたりが注意選手。両選手とも欧州選手権から約2週間半の試合間隔でどの程度力を発揮できるか。


 【74kg級】(左写真=日本代表として挑む長島和幸)

 欧州から7ヶ国、パンアメリカンから米国、キューバ、カナダが出場権を取っているので、注意するのはアジアの選手か。

 2006年世界2位で同年アジア大会優勝の
イラン(アスガル・アリ・バズリガレ)、2006年世界3位のウズベキスタン(ソスラン・ティギエフ)あたりが世界での実績を持っている選手。イランは3月のアジア選手権2位のマスード・ムスタファ・ジョーカーが再度出てくる可能性も。2005年アジア王者の中国シ・リグレンは最近力を落としており、3月のアジア選手権は5位。

 欧州勢で注意するのは2年連続欧州3位の
ギリシャ(エムザリオス・ベンティニディス)、2006年欧州3位のポーランド(クリスチャン・ブルゾゾウスキ)。ブルガリアは2006年に世界V8のブバイサ・サイキエフ(ロシア)を破った選手が84kg級にアップしたので、2005年世界3位のニコライ・パスラールあたりが出てくるか。


 【84kg級】(左写真=日本代表として挑む鈴木豊)

 2005年世界2位であり、06・07年パンアメリカン王者の
キューバ(ヨエル・ロメロ)が残っており、首ひとつ抜け出ていると思われる。2月のパンアメリカン選手権は別の選手が出てきたが、キューバは同選手権を捨てて最終ステージにかけてきたようなふしがあるので、今度はロメロが出てくるか。

 欧州からは2005年世界3位・07年欧州2位の
ウクライナ(タラス・ダンコ)、2007年欧州3位のハンガリー(アルパド・リッター)、今年の欧州3位のアゼルバイジャン(スラピレビッチ・テムレゾフ)らは横一線の状況。ブルガリアからは階級アップしたばかりのペトロフ・ガネフが欧州選手権に続いて出てくるか。

 アジアからは2年連続アジア選手権2位の
モンゴル(ジャグナードルジ・ガンゾリグ)のほか、アテネ五輪74kg級2位で昨年の世界選手権84kg級12位のカザフスタンのゲンナディ・ラリエフの動向は?


 【96kg級】(左写真=日本代表として挑む小平清貴)

 2006年世界3位・07年欧州2位の
ベラルーシ(ルスラン・シェリコフ)は今年の欧州選手権5位で、あと一歩で出場権獲得を逃した。2005年世界5位の韓国(コー・タエヒュン)も今回のアジア選手権で3位同士のプレーオフの末に出場権を逃した。獲得圏内の力はあるはず。

 他には2006年世界5位の
カナダ(ダビッド・ジルバーマン)あたりが世界での実績を持っているくらいで、目立った選手はそう多く残っていない。


 【120kg級】(左写真=日本代表として挑む田中章仁)

 ロシアから
スロバキアに国籍を変えた2000年シドニー五輪王者のダビッド・ムスルベスが欧州選手権2位で、出場権を逃した。今度こそ出場権を手にしそう。2005・06年のアジア選手権の王者で07・08年アジア2位のカザフスタン(マリド・ムタリモフ)も出場権獲得が目の前。

 他には2005年世界3位の
ハンガリー(オットー・ゾルト・アウベリ)、2006年世界3位のアルメニア(ルスラン・バシエフ)、同5位のモンゴル(ラグバドルジ・ダブナニャシュ=ただし今年のアジア選手権は別の選手で3位)、今年欧州3位のアゼルバイジャン(アリ・イサエフ)などが目につく。



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