赤か青かの区別がついた? コイントスに代わるレフェリーのボールピックアップ【2008年3月25日】








 2月末のパンアメリカン選手権から実施され、今回のアジア選手権でも実施されたコイントスに代わるレフェリーによるボールのピックアップ。今回は袋の中に赤と青のゴルフボールが1個ずつ入れられていた。

 赤のゴルフボールは既製のボールだったが、青のゴルフボールは存在しないらしく白のボールが青色の塗料で塗られていた。そのため、触った感触で、「べとつくのが青」と感じることができた。筆者が試合前にピックアップを試し、さわって区別がつくかどうかを実験してみたところ、5回中4回、青か赤かを言い当てることができた
(右写真)。これが試合の合間のわずか数秒間に衆人環視の下でできるかどうかは不明だが、大きくかきまわすレフェリーもいて、その1、2秒の間に赤か青かを選ぶのは不可能なことではないと思う。

 国際レスリング連盟(FILA)のマリオ・サレトニグ副会長(審判委員長)に「レフェリー・キャン・ディスティングイッシュ・レッド・オア・ブルー」(レフェリーは赤か青かの区別がつく)と問いただしたところ、同副会長は「聞いている。今回は(ルール改正から時間がなかったので)緊急措置で、韓国協会が用意した。来週のヨーロッパ選手権ではFILAが区別のつかないボールを用意する」と説明。ゴルフボールでは周囲に分かりづらいためか、テニスボールくらいの大きさのボールが予定されているという。

 レフェリーは総じて袋以外の方向を見てピックアップしていたが、マットチェアマンが袋の口を開けてレフェリーを待っているので、チラリののぞいてから手を入れ、それから顔をそむけてピックアップするレフェリーもいた。その1秒間にどちらに赤があるかを見ることもできるわけで、この問いに対してサレトニグ会長は「長い袋を用意し、のぞきこめないようにする」と答えた
(左写真=レフェリーのボールピックアップのシーン)

 いずれにせよ、北京オリンピックまでにもうひと悶着ありそうなコイントスに代わるルールだ。

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



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