コイントス廃止の可能性が浮上…クリンチの攻守決定方法【2008年3月4日】







 米国レスリング協会のホームページによると、2月28日〜3月1日に米国コロラドスプリングズで行われたパンアメリカン選手権で、男子フリースタイルと女子のクリンチ、男子グレコローマンのグラウンドの攻防の際に行われるコイントスが廃止され、レフェリーがスコアリング・テーブル(チャーマン席)にある黒い袋の中から赤球か青球を引く方式が取られたという。

 国際レスリング連盟(FILA)のマリオ・サレトニグ副会長(カナダ)によると、欧州のいくつかの国から「レフェリーが2種類のコインを持ち、その状況に応じて赤が出やすいコイン、青が出やすいコインを使っている」との指摘がFILAに寄せられており、レフェリーの作為的なコイントスを防ぐために導入したという。

 大会の初日は、レフェリーがコイントスを行い、表が出た色のシングレットの選手が黒いバックの中から球を取り出し、その色の選手に攻撃権が与えられた。その際、バッグの中をのぞき込むことは固く禁止された。

 しかし2日目は時間節約のためにコイントスなどの行為が省かれ、レフェリーがスコアリング・テーブルにある黒バッグから球を取り出す方式に変更された。サレトニグ副会長は「欧州ではこの方式でやったことがあり、評判がよかった」と説明している。

 現段階で日本協会にこのルール変更は通達されていない。斎藤修・審判委員長(千葉・佐倉南高教)は「コイントスによる不正があるらしいという情報はあった。今回のルールは試験的なことかもしれず、アジア選手権(3月18〜23日、韓国)やそれ以降に導入されるかどうかは分からない」と話しながらも、導入の可能性も否定できず、早急にFILAと連絡を取り事実関係を確認するとしている。



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