【全日本選手権優勝選手】男子フリースタイル84kg級・松本真也(警視庁)【2009年12月22日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 男子フリースタイル84kg級は松本真也(警視庁)が決勝でベテランの山本悟(岡山・新見高教)を2−0で破り、4年ぶり2度目の優勝を達成した。決勝は第1、2ピリオドとも0−0で試合が進んでラスト30秒を切ってからスパートし、タックルを決めて勝った。むやみに攻撃せず、勝負どころまで待っての仕掛け。「コーチの指示もありまして…。最初から仕掛けるのでもよかったのですが」と、圧勝より勝つことにこだわっての優勝だった。

 2回戦の殿村幸城(早大)戦と準決勝の鈴木聖二(専大)戦では飛行機投げを受けてしまい、ピリオドを落としてしまう不覚もあった。しかし、こうしたピンチを迎えたことでで気が引き締まり、決勝はかえって開き直って闘えたという。

 京都・網野高時代に前人未到の高校8冠王を達成。2005年に全日本を初制覇しながら、その後が長かった。「決勝まで行くことは多かったのですけどね…」と苦笑いを浮かべながら、今年の全日本2大大会制覇に満足そう。

 ただし、昨年のこの大会で負けた松本篤史(日体大)が、チームの出場停止処分で参加していない。6月の全日本選抜選手権でリベンジしているとはいえ、出ていたら嫌な相手であったことは言うまでもない。松本篤は来年3月に卒業するので、5月の全日本選抜選手権には出場してくることが予想される。「(リベンジしたとはいえ)やはり意識する相手。(松本篤の)処分期間中に実力差をつけたい」と話した。

 この優勝で来年2月に予定されている米国コロラドスプリングズでの遠征合宿に参加することになりそう。「日本よりすごい施設で食事もいい。思い切って練習して実力をつけたい」と言う。

 重量級は5月に予定されているアジア選手権(インド)でメダル争いに加われなかった場合、11月のアジア大会(中国)の派遣カットという“仕打ち”も考えられる。正念場となる来年の上半期。スタートから全力疾走だ。


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