【全日本選手権優勝選手】女子59kg級・正田絢子(京都・網野高教)【2009年12月22日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 1999年に17歳で世界チャンピオンとなり、以後、4度世界一に輝いている女子59kg級の正田絢子(京都・網野高教)が、意外にも1998年以来、2度目の日本一へ。「長かったですね」と苦笑いを浮かべつつ、久し振りの栄冠を味わった。

 決勝は6月の世界選手権代表選考会プレーオフでフォール負けを喫した山名慧(アイシン・エィ・ダブリュ)。実力が伯仲しており、お互いに警戒していたせいか第1、2ピリオドとも規定の2分間は0−0。第1ピリオドのクリンチは正田が攻撃となって確実に取り、第2ピリオドのクリンチは防御となり、いったんは持ち上げられてしまったが、粘って返し技を決め、このピリオドも取った(当初は失点だったが、チャレンジ=ビデオチェック要求=によって判定が覆った)。

 「内容はよくなくても、勝ててよかった。とにかく勝つことでした」と話し、勝てたことに安堵の表情。今年の世界選手権はネットを見る程度で、それほど強い関心をもっていたわけではないそうだが、自分が勝っている相手が上位に食い込んでいたりすると、悔しさのような気持ちが湧いてきたそうだ。

 そうした気持ちになったということは、世界一を目指す気持ちになっているのだろう。11月には米国ニューヨークの「NYACホリデー国際オープン大会」に出場して優勝したが、「世界のレベルが上がっている。世界で勝つなら、もう一度、つくり直さなければならない」と話し、今のままでは世界チャンピオン返り咲きは無理と思っている。

 「100点中30点」と評した現在の実力。今年は教員をやりながらの選手活動で戸惑ったことも多かったようだが、それも慣れ、再び世界一を目指した闘いが始まりそう。「口だけでは若い子はついてこない。見本となるような姿を見せたい」と、教え子の育成ためにも自らの闘いに全力投球−。


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