【特集】リーグ戦黒星の相手に雪辱しての初優勝…55kg級・須藤学(日大)【2009年11月15日】

(文・撮影=樋口郁夫)



 学生王者の藤元洋平(早大)が準決勝で負けた55kg級は須藤学(日大)が優勝。先月の全日本大学グレコローマン選手権で優勝した森大輔に続き、日大が最軽量級を制した。須藤は「今年中に強い先輩を越えたいと思っていたので、うれしい」と、ホッとした表情を浮かべた(右写真=第1ピリオドをクリンチからのテークダウンで取った須藤)

 2008年のJOC杯ジュニアオリンピックと東日本学生秋季新人戦を制している須藤だが、学生のタイトルともなると違った感覚だった様子。「これまで経験したことのない緊張感に襲われました。試合で緊張したことはなかったのですが…」。

 決勝の相手の岩永竜太(群馬大)は同期で、今年5月の東日本学生リーグ戦2回戦で闘って0−2で黒星を喫した相手。「リベンジしなければならない」という気持ちがあったことも影響していたのかもしれない。

 しかし、コーチやチームメートの応援で「自分の力以上のものが出せた」と言う。第2ピリオドはタックルで1点を先制されたものの、「リードされた方がリラックスして体が動く」というこれまで通りの闘いができ、巻き投げからバック・ポイントを取って1−1に追いつき、ラストポイントで勝利。大量ポイントを取ったわけではなかったが、「練習通りのことができました」と言う。

■JOC杯ジュニアオリンピックの優勝とは重みが違う

 JOC杯での優勝が世界ジュニア選手権に通じるのに対し、この大会は特に海外での大会には直結していない。それであっても、優勝の重みは全然違うという。大きな自信になったようだ(左写真=優勝を決めた後、後方宙返りを披露した須藤)

 ただ、部員の不祥事のため日体大が出場していなかったことは心残りだ。昨年の学生王者であり、9月の全日本学生王座決定戦で負けていた守田泰弘に勝っての優勝ではなかったことが、ちょっぴり無念そう。「強い人がいないから優勝できた、とは言われたくない。残念でした」と言う。

 その分、12月の天皇杯全日本選手権で大学王者の肩書をもって奮戦したい気持ちがある。「すごく強い人ばかり。自分はまだまだ。これからの練習で、どれだけ近づけるかです。もっと練習して少しでも近づきたい」という。大学王者になったことで、もっと上を目指したいという気持ちになったそうで、上昇ムードで湯元進一、田岡秀規(ともに自衛隊)、稲葉泰弘(警視庁)らで激戦が展開されている全日本のフリースタイル55kg級へ挑む腹積もりだ。


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