男子全日本チームが世界選手権後初の合宿スタート【2009年10月31日】



 男子両スタイルの全日本チームが10月30日、東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで世界選手権後、初の合宿をスタート(右写真)。スパーリングを中心に約2時間半、汗を流した。11月3日まで行われる。

 今回の合宿のテーマは、「世界のレスリングに接したうえで、技術をどうマスターするか。その技術を全日本選手権で出せるようにするには、どうすればいいか」の研究。また、体力測定を実施することで、夏から現在までの練習を振り返ってもらい、足りなかった点を補強する材料とすること。佐藤満強化委員長は「日本で勝たなければ意味はないが、日本で勝つためだけの練習はしないでほしい。世界でどう勝つかの意識を常に持って練習してほしい」と要望した。

 フリースタイル60kg級日本代表の前田翔吾ら日体大の選手は、部員の不祥事によって対外活動が禁止されており、姿が見られなかった。佐藤強化委員長は「日本代表選手としてのプライドを持って行動してほしい」と話し、各選手へ私生活を含めた自覚を求めた。

 一方で、北京五輪フリースタイル60kg級で銅メダルを取った湯元健一(ALSOK綜合警備保障)が、北京五輪前以来、約1年3ヶ月ぶりに全日本合宿に参加した。「この場所でやることに、やはり緊張します。強い選手が集まる場所なので」と話しつつも、本来の場所に戻ってきて気持ちよさそう。しかし、石田智嗣(早大)とのスパーリングでは見合ってしまって技が出ず、佐藤強化委員長から「見合ってばかりいてどうする。攻めろ」とゲキをとばされるなどした。

 9月の新潟国体で優勝したとはいえ、腰の手術などで実戦を離れていた期間が長いためか技術・スタミナ面とも不安を抱えている状況。練習後には弟・進一(自衛隊)と技の研究に取り組むなどブランクを埋めるべく力をいれていた。

 日体大の後輩の不祥事はやはり残念そう。しかし「こうした時にこそ、OBが頑張って結果を出すことが必要。(自らが)4年生の時にも事件があり、クラブが謹慎処分を受けたことがあったが、その時はOBの活躍が励みだった」と話し、自分のできることに全力投球の姿勢を示した。

グレコローマン選手を指導する伊藤広道・強化副委員長(自衛隊) フリースタイル選手を指導する佐藤満・強化委員長(専大教) 練習後、弟・進一(自衛隊)と技の研究を続けた湯元健一(ALSOK綜合警備保障)。

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