【特集】中学時代の無冠選手が、1年生で二冠王者へ…山崎達哉(東京・自由ヶ丘学園)【2009年10月5日】

(文・撮影=増渕由気子)



 今年の世界選手権フリースタイル84kg級代表の松本真也(警視庁=当時京都・網野高)以来の金字塔だ。第64回国民体育大会「トキめき新潟国体」で、少年フリースタイル50kg級の山崎達哉(東京・自由が丘学園=右写真)が、8月のインターハイに続いての全国タイトルを獲得。1年生で二冠王者に輝いた。この快挙に山崎は、「うれしいです。1年生なんで、向かっていっただけです」と謙虚に話した。

 山崎がレスリングと出合ったのは、弟の誘いによって名門・吹田市民教室でマット運動を始めたのがきっかけ。その後、親の転勤で東京に移り、ゴールドキッズに入門して練習を始めた。

 手足が長く、有利な体格を生かして練習を積んだが、「ずっと2位、3位だった」という。中学時代は、太田忍(青森・倉石)有元伸悟(大阪・三国)という全国チャンピオンに輝くことになる選手に2年連続で勝てず、小学校から合わせて全国タイトルを取ることは1度もなかった。

 自分に足りないものは何だろうか―。厳しく自分を追い込むために、山崎は「甘えからの脱却」を計った。実家は東京の品川区にあるものの、自立した生活を送るために、親元を離れてゴールドキッズのコーチの家の近くの寮で生活。今年の4月からは朝5時に起きて朝練習、学校の授業、部活の練習、そしてゴールドキッズでの練習という毎日を送った。

 「足りないものは気持ちだったんです」と山崎が話すように、親元を離れて自立した生活を送っただけで急成長。インターハイでは史上4人目となる1年生王者となり、国体では、インターハイに続き、中学時代に壁だった太田(山口・柳井学園)を下して優勝した。「来年は三冠王を目指したい」。高校入学とともに大きく成長したスーパールーキーの今シーズンは最高の締めで終わることができた。真価が問われる山崎の2年目に注目だ。


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