【特集】世界王者のここ一番の集中力に脱帽…男子グレコローマン66kg級・藤村義(自衛隊)【2009年9月28日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 世界選手権初出場の66kg級の藤村義(自衛隊)は、「緊張した」という1回戦をうまくクリアしたあと、2回戦で2007年世界王者のファリド・マンスロフ(アゼルバイジャン)と対戦。7月のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)でも闘っており、その時は1ピリオドを取ったが、今回は1ポイントも取れずに敗れた。

 「まぐれは続かない。これが今の自分の実力」と、この大会ででも優勝したマンスロフの実力に脱帽。7月の対戦では「顔も知らない日本人ということで、軽く見ていたと思う。今回はアゼルバイジャンの代表としての出場で、最高に集中してきたとでしょう」と、チャンピオンのここ一番にかける強さを痛感。

 具体的には、ひとつひとつの極めがすごいことと、腕取り、落とし、崩しなども強烈。「グラウンドで勝負しようと思ったが、通じなかった」という。

 敗者復活2回戦のサスン・ガンバリヤン(アルメニア)戦では、第2ピリオド、グラウンド勝負を考えたであろう1分25分すぎに強烈ながぶり返しを受けてしまった。プロレスのブレーンバスターのような豪快な技で、「顔面をきつく絞められ、首をすごい力でねじられた」という日本ではかかったことのないきつい技(右写真)。世界のすごさを感じた技でもあったという。

 厳しさを感じた大会ではあったが、4試合闘うことができ、8位に入賞。このまま実力をキープすれば、2012年のロンドン五輪の出場権を一発で獲得できる順位を勝ち取ることができた。「いい経験だった。来年も国内の闘いを勝ち抜き、ここに来たい」。新たな闘いがスタートした。


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