【特集】悔しさ大きく、口を開かず…男子グレコローマン84kg級・斎川哲克(両毛ヤクルト販売)【2009年9月27日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 この日、日本チームの先陣を切ってマットに上がった84kg級の斎川哲克(両毛ヤクルト販売)。長らくこの階級を支えてきた松本慎吾コーチ(日体大教)がセコンドからアドバイスを送る中、第1・2ピリオドともスタンド戦は両者0点。

 しかし、グラウンド攻防で、技をかけられたか、かけられなかったかが勝敗を分け、無念の初戦敗退に終わった。グラウンドの防御で、開始直後に右腕ごとクラッチを組まれてしまっては、ガッツレンチを防ぎようがなかった(右写真)

 大敗ということではなかったが、敗者復活戦にも回れない結果に、よほど悔しかったのだろう、報道陣からの取材のお願いには、首を横に振ってやんわりと拒否。最後まで口を開くことはなかった。

 グレコローマンの伊藤広道監督(自衛隊)は、96kg級の北村克哉も2006年世界王者を相手に善戦したことをふまえ、「それぞれ力は出している」としながら、「勝つためには、ポイントを取れる技を持たなければならない。点差以上に(実力の)差はある」と言う。

 その差をどう乗り越えるかが、今後の課題。北京五輪までの強豪の多くが現役を続けており、斎川に限らないが若い日本チームにはかなりのハンディをもったスタートをしいられる。「これまでやってきた体力トレーニングを継続するとともに、ポイントにつなげられる技の養成を、今一度やっていきたい」と、出直しを誓った。


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