井上佳子(中京女大)は3位決定戦で敗れ5位…世界選手権第5日【2009年9月26日】



 【ヘルニング(デンマーク)樋口郁夫、撮影=矢吹建夫】世界選手権第5日は9月25日、当地で女子2階級と男子グレコローマン1階級が行われ、女子67kg級の井上佳子(中京女大)が3位決定戦へ進んだものの、今年のアジア選手権3位のバドラク・オドンチメグ(モンゴル)に0−2(1-3,0-1=2:30)で敗れ(右写真)、2007年大会に続いて5位に終わった。

 井上は1回戦でブラジル選手を破った後、2回戦で2007年72kg級世界3位のオルガ・ザニベコバ(カザフスタン)に勝ち、3回戦でアフリカ・チャンピオンのマヘル・ドアー(エジプト)を破った。しかし準決勝で昨年の世界チャンピオン、マルティン・ダグレニエ(カナダ)に1−2(0-1,3-1,0-1)で惜敗。3位決定戦に回った。

 男子グレコローマン55kg級の長谷川恒平(福一漁業)は、初戦の2回戦でイタリア選手を破ったあと、3回戦で欧州3位のベクザン・マンキエフ(ロシア)を2−1(0-3,1-0,30)で破った(左下写真)。しかし。4回戦で2007年世界7位、北京五輪代表のバージル・ムンテアヌ(ルーマニア)に0−2で敗れ、ムンテニアが準決勝で敗れたため、敗者復活戦に回れなかった。

 72kg級の佐野明日香(自衛隊)は、1回戦でディナ・イワノア(ブルガリア)に敗れ、イワノワが決勝に進めなかったため、敗者復活戦に回れなかった。

 この日で女子が終了。日本は55kg級の吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)と63kg級の西牧未央(中京女大)による金2個、51kg級の甲斐友梨(アイシン・エイダブリュ)による銅1個。2階級優勝にとどまったのは、2001年大会以来(当時は6階級)。国別対抗得点は37点で2位。2002年から守ってきた団体世界一を42点をマークしたアゼルバイジャンに譲ってしまった。3位はカナダで37点(日本との差は金メダルの数)。

 各選手の成績は下記の通り。


 ◎女子

 【67kg級】井上佳子(中京女大)        5位=21選手出場

1回戦 ○[2−0(3-0、TF6-0=1:00)]Aline Ferreira(ブラジル)

 《試合経過》第1ピリオド、井上が右足をつかみ、もつれたものの46秒にテークダウンを決めて1点。アンクルホールド2回転で3−0へ。第2ピリオド、序盤に右脚へのタックルを決め、ニアフォールの体勢へ持ち込み3−0。このあとアンクルホールドを3回転決め、6−0でテクニカルフォール勝ち。

2回戦 ○[2−0(1-0,1-0)]Olga Zhanibekova(カザフスタン)

 《試合経過》第1ピリオドの1分10秒、井上が相手を場外に出して1点を獲得。1−0でこのピリオドを先制。第2ピリオドは1分15秒に相手の首投げ失敗をポイントにつなげて1−0とし、そのままのスコアで勝った。

【1回戦1P】右脚を取っての片足タックルで、井上が1点を先制、 【1回戦2P】片足タックルからグラウンドでフォールを狙う。 【2回戦1P】圧力をかけてくる相手に、井上も必死に応戦。 【2回戦2P】タックルがうまく通じないとみるや、がぶりに活路を探す井上。

3回戦 ○[2−0(3-0,1-0)]Maher Doaa(エジプト)

 《試合経過》第1ピリオドの中盤、井上がタックルでテークダウンを奪い、横崩しでニアフォールに追い込んで3−0。このピリオドを先制。第2ピリオドは21秒に左を差して場外に押し出し、この1点を最後まで守った。

準決勝 ●[1−2(0-1,3-1,0-1)]Martine Dugrenier(カナダ)

 《試合経過》第1ピリオド、一進一退のあと、 井上が1分46秒にタックルを決められて場外に出され1失点。第2ピリオドは19秒に正面タックルを決め、ニアフォールに持っていって3−0。終盤に1点を失ったが、3−1のスコアでこのピリオドを取り、勝負は最終ピリオドへ。

 第3ピリオド、井上の右脚へのタックルは決まらず、1分35秒、正面タックルを決められ、痛恨の1失点。0−1で敗れた。

【3回戦1P】井上は中盤にタックルで1点。このあと横崩し。 【3回戦2P】左腕を差した井上は、相手を場外に押し出した。 【準決勝1P】昨年の世界チャンピオン相手に、なかなか攻撃できない井上。 【準決勝3P】勝負のピリオド、中盤に井上がタックルを仕掛けるが決まらない。

3位決定戦 ●[0−2(1-3,0-1=2:30)](モンゴル)

 《試合経過》第1ピリオドの後半、井上がタックルで攻め、場外際に追い込むが、タイミングのいい小手投げを受けえしまい3失点。ラスト6秒にタックルで1点を返したが、このピリオドを落とした。第2ピリオドも井上が攻めるが、決め手に欠け、0−0で2分間を終了。クリンチの攻撃権を獲得した井上は、相手に尻もちをつかせたが、そこからポイントにつなげられず、グラウンド状態で場外に出てブレーク。スタンドで再開したが、残り15秒でポイントを取れなかった。

【3決戦1P】タックルで攻めた井上だが、場外際で小手投げを受けて3失点。 【3決戦1P】井上は終了間際に1点を取ったが、3点差は追いつかなかった。 【3決戦2P】井上をタックルを再び小手投げでこらえる相手。結局、ブレーク。 【3決戦2P】クリンチの攻撃権を獲得した井上。攻めるがポイントにつなげられなかった。

 【72kg級】佐野明日香(自衛隊)       13位=21選手出場

1回戦 ●[0−2(0-1=2:02,1-@)]Dina Ivanova(アゼルバイジャン)

 《試合経過》第1ピリオド、お互いに決定力に欠け0−0で2分間を終了。クリンチの防御となった佐野は守れなかった。第2ピリオドは佐野が43秒に正面タックルを決めて1点を先制。しかし1分28秒に正面タックルを受けてしまい、1−1で終了。ラストポイントによって相手の勝ちとなった。

【1回戦2P】佐野が43秒に正面タックルで相手を押し出して1点を先制。 【1回戦2P】1分28秒、正面タックルを受けてしまい、1−1に追いつかれる。

※敗者復活戦へ回れず


 ◎男子グレコローマン

 【55kg級】長谷川恒平(福一漁業)        11位=36選手出場

1回戦  BYE

 《試合経過》第1ピリオド、

2回戦 ○[2−0(1-0,5-0)]Nicola Caradonna(イタリア)

 《試合経過》第1ピリオドのスタンド戦は0−0。赤の長谷川がグラウンドの攻撃となり、ガッツレンチを決めて1−0。第2ピリオドは15秒に胴タックルを決めた長谷川が、続いてガッツレンチを決めて3−0。グラウンドの攻撃でも、横崩しでニアフォールを奪ったあと、ガッツレンチを決めて5−0と快勝した。

3回戦 ○[2−1(0-3,1-0,30)]Bekzan Mankiev(ロシア)

 《試合経過》第1ピリオド、スタンド戦は0−0で、赤の長谷川がグラウンドの攻撃。ガッツレンチを仕掛けたが乗られてしまって2失点。その時に相手が長谷川の脚をつかんだように見え、日本陣営はチャレンジ(ビデオチェック要求)。ビデオでそのシーンは死角になっていたこともあり、判定は覆らずに相手に1点。0−3でこのピリオドを落とした。第2ピリオドもスタンドは0−0。グラウンドの防御となった長谷川は、30秒を守り抜き、1−0でピリオドスコアは1−1へ。

 第3ピリオド、がぶられて背中に回れらた長谷川だが、必死になってしのいでテークダウンは許さず、辛うじて脱出。1分5秒、長谷川は相手が投げにきたところをうまい身のこなしで崩してバックを取って1点。グラウンドの防御では、体を起こそうとする相手の背中をマットに向けさせて2点を獲得。3−0で勝った、

【2回戦2P】胴タックルで1点を取った長谷川はガッツレンチを仕掛け、1点を追加。 【2回戦2P】グラウンドの攻撃では横崩しで2点を取り、さらにガッツレンチを決めた。 【3回戦3P】最後のグラウンドの攻撃。必死に粘る相手を攻める長谷川。 【3回戦3P】五輪王者のロシア選手ではないものの、強豪を破ってにっこり。

4回戦 ●[0−2(0-2,0-1)]Manteanu Virgil(ルーマニア)

 《試合経過》第1ピリオドのスタンド戦は0−0。青の長谷川はグラウンドの防御となり、クロスボディロックからの低い位置で転がされて2失点。0−2でこのピリオドを落とした。第2ピリオドもスタンド0−0。長谷川はグラウンドの攻撃でガッツレンチで攻めたが、決まらなかった。

【4回戦1P】グラウンドの攻防。クロスボディロックから転がされてしまった。 【4回戦2P】長谷川はグラウンドの攻撃で必死にガッツレンチを狙ったが。

※敗者復活戦に回れず


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