【特集】7月に勝った相手からリベンジを受け、口調は沈みがち…女子48kg級・坂本真喜子(自衛隊)【2009年9月24日】

(文=保高幸子、撮影=矢吹建夫)



 今年こそ世界チャンピオンに、と意気込んで臨んだ大会だった。女子48kg級の坂本真喜子(自衛隊)。現地入りしてからの表情からも、その意気が感じられた。しかし、1回戦こそ圧倒して第1ピリオドにフォール勝ちしたが、2回戦で悪夢が坂本を襲う。今年のゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)で勝っているリンゼイ・ラシュトン(カナダ)にまさかの投げ技を受けてしまい、2回戦で黒星(右写真)。そのラシュトンが準決勝で敗れたため、敗者復活戦へは進めなかった。

 「1度勝っている相手に負けて…。考えさせられます」。口調はしっかりしているが、思い詰めたように語り始めた。「これからレスリングとどう向き合っていくか、考える時間を作ろうと思います」との言葉に、囲んだ記者が一瞬沈黙した。

 世界選手権に向けて特に気をつけていた反省点を直し、相手に合わせず攻める気持ちを大切にした。しかし、それが裏目にでてしまったか。「守る気持ちはなくて…。それで投げ技にかかってしまったかな…」。2回戦第3ピリオドの投げ技は、1点をリードした状態でレフェリーから「アクション」の声がかかり、焦って攻めに行ったところをタイミングよく横捨て身に投げられた。

 姉・日登美(自衛隊=全日本コーチ)のことを聞かれると、「五輪で7階級実施になるはずが、結局4階級になって…。姉ともう1回相談して、これからのレスリング人生について考えます」と、冷却期間をおきたいというような言葉を繰り返した。

 「足が止まると投げをかけてきますね…」「自分は投げに弱いですね…」と、反省ばかりを口にする坂本。世界チャンピオンが目標だっただけに、悔しいに違いない。

 今回は結果こそでなかったが、間違いなく成長を続けている。姉・日登美と2012年ロンドン五輪へ向けての二人三脚は、まだ道のりが長い。今日は転んでしまったが、つくったのはかすり傷。すぐに完治し、また手を取り合い走り出すのを待ちたい。


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