【特集】体力養成の必要性を痛感…男子フリースタイル74kg級・長島和幸(クリナップ)【2009年9月24日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 男子フリースタイルの最後に出撃した74kg級の長島和幸(クリナップ)は、北京五輪3位のキリル・テルジエフ(ブルガリア)相手に第1ピリオドを取る幸先いいスタート。殊勲も期待されたが、第2・3ピリオドを連取され、無念の初戦敗退。テルジエフが決勝に進めなかったため、1試合で世界選手権を終えた。

 「優勝するにしても上位にいくにしても、まず1勝しなければならなかった。なのに、初戦で負けて悔しい。負けるのは本当に悔しい」と長島。相手はこれまでのブルガリア遠征で何度も手合わせしている選手で、 ウイークポイントを知っていた。そこを狙って攻め、第1ピリオドはもくろみ通りに運べたが、第2・3ピリオドは通じなかった。

 誤算は2つ。相手の持ち味であるカウンター攻撃が想像以上にしつこかったことと、自分の体力の消耗が想像以上だったこと。「カウンターがしつこいことは頭の中に入っていたが、自分の体力の消耗もすごく、攻め切れなかった。レスリングに必要な体力がまだ足りないことが分かった。2ピリオドを取る体力がない」と、自己に厳しく敗因を分析してくれた。

 しかし、佐藤満体制になってからこれまでやってきたハードトレーニングが正しい方向だったことを認識。「試合後、佐藤(満)強化委員長と田南部(力)コーチからの指示もあったが、これからは死にもの狂いで体力アップをやっていきたい」と表情を引き締めた。

 初めての世界選手権で、ちょっとした国際大会とはムードも違うはずだが、「緊張で力が出ないことはなかった。これまでに、アジア選手権を含めて何度も海外に派遣してもらい、経験を積ませてもらったことが役に立ったと思う」と言う。

 「オリンピックには、もっと燃えるものがあると思う。そのためには世界選手権で勝って出場権を取らないとならない。オリンピックを目標に、ひとつひとつ頑張っていきたい」と、早くも来年の世界選手権に思いをはせ、飛躍を誓っていた。


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